2021 Fiscal Year Research-status Report
看護基礎教育における医療事故の未然防止シミュレーショントレーニングの構築
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19K10818
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Research Institution | The Japanese Red Cross Hiroshima College of Nursing |
Principal Investigator |
三輪 晃子 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 講師 (00779689)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 医療安全 / 医療事故の未然防止 / 看護基礎教育 / シミュレーション教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、医療者による誤った行為が発生したとしても、患者に誤った行為が実施されるまでの間にお互いで護り合うことができる人材を育成することである。2021年度の計画は、医療事故が未然防止できる看護師の特徴を明らかにするため、循環器病棟ならびに手術室に所属する看護師に、医療事故を未然防止した事例についてインタビュー調査を実施する予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症による感染拡大の影響により看護師へのインタビュー調査が行えていない。 そこで、アンケート調査へ向け、文献検討と情報収集、ならびに日本医療機能評価機構における医療事故情報収集等事業のデータベースより得られた未然防止事例について分析を行った。2019年に「手術室」で発生したヒヤリ・ハット事例報告326事例のうち、医療事故が未然防止されていた27(8.3%)事例における誤った行為の発見者は、誤った本人15件、他職種8件、同職種4件であった。2018年に「循環器病棟」で発生したヒヤリ・ハット事例報告530事例のうち、医療事故が未然防止されていた7(1.3%)事例における誤った行為の発見者は、誤った本人4件、同職種2件で、患者・家族・付添人1件あった。 医療事故の未然防止において、同職種に限らず他職種間で防ぎ合えていることが明らかになった。しかし、医療事故の未然防止事例において、誤りに気付いた理由は詳細には記載されていない事例報告が多かった。一方で、誤った行為に至る前の段階で医療事故を予見し、立ち止まり誤った行為を回避していた事例報告もあった。 本研究は、誤った行為が発生していることを前提としているが、誤った行為が発生する前段階で回避できたような事例も今後収集していきたい。また、アンケート調査においては、チームとして医療事故が未然防止できる仕組み作りへ向け多職種連携の視点を調査項目に含めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症による感染拡大の影響により、研究対象施設における研究の承諾が非常に難航し、インタビュー調査が進んでいないためである。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究が取り扱うデータは医療事故に関する内容が含まれていることが予測されるため、倫理的配慮として研究対象施設を日本医療機能評価機構における医療事故情報収集等事業に参加している施設としている。しかし、研究対象施設を医療機能評価機構における医療事故情報収集等事業に参加している施設に限定せず対象施設の範囲を今後拡大していく。また、医療事故の未然防止事例における分析結果や先行研究を基にアンケート調査票を作成しインタビューと並行してアンケート調査を実施していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症による感染拡大の影響により、研究対象施設における研究の承諾が非常に難航し、インタビュー調査が進んでいないためである。次年度は研究対象施設の範囲を拡大させ、インタビュー調査を電話など別の方法で実施できるようにしていく。
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