2023 Fiscal Year Research-status Report
生命に直結するフィジカルアセスメント能力育成シミュレーション教育プログラム開発
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19K10823
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
三笘 里香 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (10305849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 豊明 放送大学, 教養学部, 教授 (20301830)
福山 美季 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 准教授 (40452875)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | フィジカルアセスメント / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
生命に直結するフィジカルアセスメントの焦点化において、心疾患術後の患者を取り上げ、急性期の手術直後と回復期の離床の2つの場面のシナリオを作成した。心疾患の手術直後の場面は、鎮静剤投与中で人工呼吸器を装着、心機能や血圧の調節のための循環作動薬を投与、心拍出量を維持するためのインアウトバランス管理、出血の観察ができる設定とし、事例を通してフィジカルアセスメントを行うようにシミュレータを設定している。回復期の離床の場面では、意識は明瞭であり抜管、出血が問題なければドレーン抜去、状態に応じて薬剤を減量、不要なライン抜去している設定とし、離床について患者に説明を行いながら、フィジカルアセスメントを行うようにシミュレータを設定している。 今年度は回復期の離床場面のシナリオを用いて、開心術後(術後1日目)の患者の早期離床の援助に関するシミュレーション教育の効果について検証した。離床場面のシナリオ2事例を用いて、75名を対象にシミュレーション演習を実施し、離床の開始・中止基準の知識に関する小テスト、離床の技術に関するチェックリスト、ARCS評価シート、実習への応用に関する4段階評価と自由記述を用いて分析を行った。小テストの演習前後の合計得点間(p<0.01)、チェックリストの1、2回目間の合計得点間に統計的有意差が認められた(p<0.01)。9割程度の学生がシミュレーショントレーニングを実習で応用できたと回答し、シミュレーショントレーニングで習得した知識および技術を臨床での実践に適用できたことが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のために計画より遅れているが、コロナ禍前と同様に学内においてシミュレーショントレーニングを実施できるようになったため、当初の計画にそって実施していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
心疾患術後の患者を取り上げて作成した2つの場面のシナリオのうち、急性期の手術直後の場面のシナリオを用いて、シミュレーショントレーニングの有効性を検証する予定である。
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Causes of Carryover |
初年度に購入したシミュレータの物品費が予定していた金額より安価だったため残額が発生している。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響により研究を計画通りに進めることが困難だったため、データ収集およびデータ解析が遅れている。新型コロナウイルス感染症が収束したため、当初の計画にそってデータ収集およびデータ解析を進めていく予定である。
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