2019 Fiscal Year Research-status Report
スキンケアに害のない、皮膚及び粘膜への適応が可能な消毒薬の開発に向けた基礎的研究
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19K10826
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
池田 敬子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 准教授 (60331807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 多美子 四国大学, 看護学部, 助教 (40716049)
小山 一 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (80109074)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | スキンケア / 口腔ケア / 消毒薬 / 低刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の研究実施計画においては、2019年度は、皮膚及び粘膜への適応が可能な消毒活性化合物について(1)夾雑タンパク質による消毒妨害作用の克服を目指したアセチルトリプトファン(AcTrp)の作用機構の解析と、(2)より顕著な作用を示し安全性も高い消毒条件を目指したウイルス不活化物質間の相互作用とを定量的手法で解明する予定であった。しかし、①投稿中であった「単純ヘルペスウイルスとインフルエンザウイルスのそれぞれを対象に、ウメ由来ポリフェノール(UP)のウイルス不活化活性を明らかにした」論文2編について編集者から実験追加の要請があったので、あらためてUPの作用機構を明らかにする実験を補い、また、統計処理の指摘を受け再度、実験、統計処理を行った(2編の英文論文はともに受理された)。また、当初に2019年度の計画として考えた実験に関しては、②AcTrp作用に及ぼす溶媒条件の効果についての検討とこれまでに見出した食品由来消毒活性成分との組み合わせの相互作用について定量的に解明した。実用化に耐える消毒活性を求め、現在も継続中である。さらに、③アルギニンを含む洗口液の組成が口腔ケアでの洗浄効果に与える影響についての予備調査として、口腔が汚染し易いICU患者を対象に標準洗口操作による口腔洗浄の効果と効果の持続性を解析した。4名の患者に対しての解析であったが、細菌カウンターで洗浄前後での口腔粘膜上の細菌数の減少は洗口術者により有意のばらつきを示した。今後は症例数を増やす一方で、健常者を対象にアルギニンを含む洗口液の組成が洗浄効果に与える影響を定量的に解析する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
AcTrp作用に及ぼす溶媒条件の効果についての検討とこれまでに見出した食品由来消毒活性成分との組み合わせの相互作用について定量的に解明できた。また、口腔が汚染し易いICU患者を対象に標準洗口操作による口腔洗浄の効果と効果の持続性を解析できた。
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Strategy for Future Research Activity |
スキンケアに有効であるものを探索する基礎研究を重ねるとともに、口腔ケアの実施状況を細菌数の減少について定量的に評価できるよう症例数を増やして行く。
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Causes of Carryover |
理由:今年度は予定金額が少なくなったが、主に消耗品に使用した。来年度も繰越金とあわせて、実験に必要な消耗品および薬品などを購入したいと考えている。 使用計画:実験に必要な消耗品と旅費に使用する。備品購入の予定はない。
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Research Products
(7 results)