2019 Fiscal Year Research-status Report
妥当性および信頼性の高い看護技術演習ルーブリックの特徴分析
Project/Area Number |
19K10832
|
Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
北川 明 帝京平成大学, ヒューマンケア学部, 教授 (20382377)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安酸 史子 関西医科大学, 看護学部, 教授 (10254559)
永井 菜穂子 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, その他, 講師 (10779573)
小室 葉月 帝京平成大学, ヒューマンケア学部, 講師 (50782249)
大和 広美 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, その他, 助教 (50807047)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ルーブリック |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度はルーブリックの効果と現状を把握するため4つの文献研究を行った。 1つ目は、我が国のルーブリック研究の動向について調査を行った。その結果、保健医療福祉分野におけるルーブリック研究は2011年から増加傾向であり、2019年4月時点で75件まで増加していた。ルーブリック研究の目的を見てみると、約4割がルーブリックを導入したことによる教育効果に関する研究であり、学修成果の明確化の観点よりも、教育の方向性を学生に示すものとして考えているものが多かった。 2つ目は、看護学実習におけるルーブリックを掲載している16件を対象に、ルーブリックに使用されている動詞を分析した。その結果から、看護学実習においては、認知領域における、①「理解:知識の意味付けや理由がわかるようになること、解釈をする能力」、②「総合:部分をまとめて新しい全体を作り出す能力」の2点の能力開発が重要視されていることが明らかとなった。一方、情意領域、精神運動領域については、認知領域に比して数が少なかった。 3つ目は、看護実習におけるルーブリックをすべて掲載している9文献を対象に、ルーブリックの構造について調査を行った。評価観点を提示している文献は3件のみであった。評価観点の内容では、3文献ともに一単語などで述べられているものはなく、すべて文章で記載されていた。評価項目が実習目標や、到達目標になっている文献が多く存在しており、評価観点を記載している文献は少なかった。 4つ目は、看護学実習でルーブリックを使用したことによる学生の意見について6文献を対象に調査を行った。その結果、ルーブリックがあって学生が良かったと考える点としては、目標達成に役立った、学習効果を実感できるというもので、困難だったと考える点としては、評価が難しい、活用の仕方が分からないというものであった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ルーブリックの作成を行う前に、現在あるルーブリックについての特徴分析を行う必要があることが分かった。 そのため、現在作成されているルーブリックはどのようなものがあり、その効果はどうなのかを先に調査することとした。
|
Strategy for Future Research Activity |
先行研究に対する調査により、現在作成されているルーブリックとその特徴を把握することができた。 今後の推進方策としては、研究計画にある通り、評価用の演習ビデオを作成し、その評価をするためのルーブリックを作成する。その際、先行研究で調べた特徴を踏まえて、いくつかのパターンで作成する。
|
Causes of Carryover |
初年度は、当初計画を変更し、ルーブリックの調査のみしかおこなわなかったため余剰金が発生した。 次年度は、研究計画通り、ルーブリックの作成および評価用の演習ビデオの作成を行う。そのため、機材の購入および学生アルバイト料の支払いが生じる予定である。
|
Research Products
(3 results)