2022 Fiscal Year Research-status Report
注射処方箋なぞり読みトレーニングツールの汎用化に向けた看護教育パッケージ開発
Project/Area Number |
19K10844
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Research Institution | The Japanese Red Cross Hiroshima College of Nursing |
Principal Investigator |
川西 美佐 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 教授 (80341238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三林 洋介 玉川大学, 工学部, 教授 (10409899)
吉田 文子 佐久大学, 看護学部, 教授 (80509430)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 注射事故防止 / 看護学 / 医療安全 / 注射処方箋 / 視線計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的は、看護師の注射処方箋読み取りエラーを防止するために、「なぞり読みトレーニングツール」の基礎教育の場における汎用化に向けて、ツールの看護教育パッケージとして「トレーニングツール」「学習履歴分析ツール」「教育ガイド」を開発し、教育パッケージの有効性を検証することである。2022年度は、目標3.学習履歴分析ツールの作成、目標4.ツールの有効性検証のためのアンケート調査案ならびに視線計測調査案の作成、目標5.教育ガイドとしてのツールを利用した授業展開案の作成に取り組んだ。 目標3.学習履歴分析ツールの作成は、①教師用の個別分析ツールと②研究者用の総括分析ツールの構成試案をもとに、アプリの具体的な仕様の改良を検討した。 目標4. トレーニングツールと学習履歴分析ツールの有効性検証のためのアンケート調査案の作成ならびに視線計測調査案の作成は、トレーニングツールを利用する学習者と学習履歴分析ツールを利用する教師へのWebアンケート調査票案と、「なぞり読みトレーニングツール」を利用した学習者がツール利用によって、模擬注射処方箋に記載されている注射確認の6つのRightのうち、「Right patient」「Right drug」「Right dosage」「Right route」「Right time」の5項目について、記載事項を文頭から文末まで注視できているかを視線計測できるための調査プロトコル案をもとに、有効性検証をするための調査準備を行った。 目標5.教育ガイドとしてのツールを利用した授業展開案の作成は、「なぞり読みトレーニングツール」を活用した授業展開案の素案を作成した。特に、2020年度からのコロナ禍により遠隔授業やVirtual Reality技術を活用した授業へのニーズが高まったため、当初の授業展開案に遠隔授業やVR技術を活用した授業を追加するように検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画では、注射処方箋の読み取りエラーにより発生しうる重大な医療事故事例について、トレーニングツールの解説で図と解説文によって学習者が学べるような構想にしていた。また、教育ガイドとしてのツールを利用した授業展開案は、対面授業に対する案を作成する構想にしていた。 しかし、コロナ禍により遠隔授業やVR技術を活用した授業へのニーズが高まったことにより、ツールを利用した授業を遠隔でも行えるようにするために、注射処方箋の読み取りエラーにより発生しうる重大な医療事故事例をVRで学習者が体験できるためのツール改良試案にもとづき、遠隔授業でツールを利用できるためのシステム設計を検討する必要と、授業展開案に遠隔授業の想定やVR技術の活用を追加する必要が生じた。そのために、2023年度に予定していた、目標5.教育ガイドとしてのツールを利用した授業展開案の作成を前倒しして検討したことにより、目標3.学習履歴分析ツールの業者によるアプリの作り込みと目標4.有効性検証の調査の実施には至らなかった。多様な教育状況で学習者がトレーニングツールを活用し、教師が授業を展開できるようにするために必要な検討であった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、引き続き目標3.学習履歴分析ツールの業者による作り込み、目標4.トレーニングツールと学習履歴分析ツール有効性検証のための調査、目標5. 教育ガイドとしてツールを利用した授業展開案の作成に取り組む。
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Causes of Carryover |
「なぞり読みトレーニングツール」の作成と学習履歴分析ツールの作成は、教育ガイドとしてのツールを利用した授業展開案をもとに改良することがより有用なツールになるため、トレーニングツールにVR用いた解説を組み込むためのツール改良の検討と、遠隔授業でツールを利用できるためのシステム設計の検討を追加すると共に、2023年度に予定していた教育ガイドとしてのツールを利用した授業展開案の作成を前倒しして行った。そのため、学習履歴分析ツールの業者によるアプリの作り込みには至らず、業者委託料の執行を次年度に持ち越した。2023年度に、業者によるツールの作り込みを行う。
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