2022 Fiscal Year Annual Research Report
回復期脳卒中患者の病棟生活21時間の移乗を支える生活者目線の看護支援モデルの開発
Project/Area Number |
19K10855
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Research Institution | Niigata College of Nursing |
Principal Investigator |
高柳 智子 新潟県立看護大学, 看護学部, 教授 (90313759)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脳卒中 / 移乗 / 車椅子 / 回復期リハビリテーション病棟 / リハビリテーション看護 / 転倒 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ベッド・車椅子間の移乗時に転倒した回復期にある脳卒中患者に対して、「一人での移乗を続けてよい」と判断する際の看護師の判断視点の因子構造を明らかにすることを目的とした。 全国の回復期リハビリテーション病棟でリーダー的役割を担っている看護師(各病棟1名)にを対象とし、自記式質問紙調査を行った。質問紙は先行研究を基に作成した。分析には探索的因子分析ならびに確認的因子分析を用いた。 857施設に郵送し、有効回答は319名(有効回答率89.6%)であった。看護師の判断視点として、〈安全な移乗動作の定着〉〈再転倒予防につながる学習体験〉の2因子8項目の因子構造モデルが得られた。確認的因子分析において、GFI、AGFI、CFIはいずれも0.90以上で良好な適合度であり、RMSEAも許容範囲であった。 以上より、看護師は、転倒後も一人での移乗を続けてよいかの判断を、この2つの視点から判断していることが示唆された。第1因子〈安全な移乗動作の定着〉は移乗時の見守り解除の判断視点と共通性が高い反面、第2因子〈再転倒予防につながる学習体験〉は移乗時の見守り解除にはない判断視点であり、単独での移乗時に転倒した場合に特有の判断視点と考えられた。そのため、本研究で得られた判断視点は、既に単独での移乗を許可されていた回復期脳卒中患者の転倒後の移乗方法を、安全とADL拡大の両面から検討するうえで、有用な知見となりうる。
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