2021 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病自律神経障害患者の生活支援アセスメントツール開発のための実証研究
Project/Area Number |
19K10856
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Research Institution | Kobe City College of Nursing |
Principal Investigator |
畑中 あかね 神戸市看護大学, 看護学部, 講師 (60236669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 安子 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50252705)
加藤 憲司 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (70458404)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 糖尿病自律神経障害 / 日常生活の困りごと / アセスメント / 困難 / 課題 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度のアセスメントツールに関する専門家の意見調査により、DAN患者の生活の困りごとのアセスメントにおける困難が多数語られた。アセスメントの困難は、【DANの症状や困りごとは患者にとって自覚しづらく、医療者が捉えるのが難しい】【DANの症状や困りごとの複雑な病態・メカニズムを理解しにくい】【様々な影響要因があり、DANが原因と言いきれない】【DANに関する正確な検査を行うこと自体が難しい】【医療者の知識が十分でなく、アセスメントプロセスが明確化されていない】【臨床には詳細なDANのアセスメントを行う環境が整っていない】の6つであった。課題は、【DANの症状や検査方法に関する基本的知識の必要性】【DANを把握する技術やスキルの向上】【総合的・多角的なアセスメント力の必要性】【本人にとっての困りごとの明確化の必要性】【アセスメントプロセスの明確化と簡略化の必要性】【看護の役割を認識した上でのアセスメントの必要性】【医師との協働の必要性】であり、専門家でもアセスメントに苦慮している現状が明らかになった。 次に、専門家によるツール試案についての意見をもとに、アセスメントツールの修正に取り掛かったが、糖尿病自律神経障害(DAN)の症状やケアについてのエビデンスが少なく、ツール作成を行うには時期尚早であると判断した。 そこで、まずは、DAN患者の日常生活上の困りごとを質問紙を用いて調査し、現状を明らかにすることとした。 日常生活上の困りごと質問項目を作成するため、文献検討により572項目抽出し、V.Hendersonによる「日常生活活動の構成要素」の14項目に分類し、DAN患者の日常生活の困りごとの特徴が反映できるよう項目を整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度のアセスメントツールに関する専門家の意見調査をもとに、アセスメントツール試案の修正に取り掛かったが、糖尿病自律神経障害(DAN)の症状やケアについてのエビデンスが少なく、ツール作成を行うには時期尚早であると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
ツール開発に向けて、まずは、DAN患者の日常生活上の困りごとを質問紙を用いて調査し、現状を明らかにすることとした。 困りごと質問項目を作成するため、文献検討を行い整理した内容を参考にして、DAN患者の日常生活上の困りごととその対処について、DAN患者へのインタビュー調査を行い、データを質的に分析し明らかにする。研究対象は、総合病院やクリニックの外来に通院中のDAN患者、または、DANがあると主治医が認める患者で、研究協力の同意が得られた者とし、脳神経疾患を発症し麻痺のある患者、明らかに他の原因による自律神経障害がある患者は除外する。予定参加者数は、7~11人とする。日常生活の困りごととその対処について1人2回、45~60分程度の半構造化面接を行う。得たデータは、逐語録を作成し、質的に分析し、DAN患者の生活の困りごとの調査項目を抽出する。結果により、DAN患者の生活の困りごと質問項目を作成する。 第2段階として、作成した困りごと質問紙、DAN症状の評価としてThe Survey of Autonomic Symptoms(SAS)、QOL評価としてSF-12、うつ評価として高齢者用うつ尺度短縮版2の4つの評価項目として質問紙調査を行い、DAN患者の日常生活上の困りごとの現状を明らかにする。研究参加者は、糖尿病看護認定看護師が勤務している医療施設の外来に通院中のDAN患者で、調査協力の同意が得られた者、200名とする。評価項目ごとに集計を行い、DAN患者の生活上の困りごとと、年令、罹病期間、治療内容、血糖コントロール状況、合併症罹患状況、自覚症状、QOL評価、うつ評価との関連について分析する。現在、倫理審査中である。
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Causes of Carryover |
COVID-19流行のため、インタビュー調査ができなかったため。
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