2019 Fiscal Year Research-status Report
精神障害者の生活行動に急速な改善をもたらすフットケアによる看護援助モデルの開発
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19K10858
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Research Institution | Meio University |
Principal Investigator |
鬼頭 和子 名桜大学, 健康科学部, 准教授 (90714759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 啓子 名桜大学, 健康科学部, 教授 (60224573)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | フットケア / 精神障害者 / 生活行動 / 看護援助 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、慢性期統合失調症患者へのフットケア(足浴・足部マッサージ)により、陰性症状および社会的行動の改善をもたらすことを明らかにし、フットケアを用いた看護援助モデルの開発を目指している。 1.平成31年度は、現在活用しているフットケアのプロトコルを国外文献、国内文献を検討し、プロトコルの見直しを行った。 2.フットケアの研究成果の発表 過去に実施した、慢性期統合失調症患者28名を対象としたフットケアの効果について、生理学的、心理的側面から再検討した。その結果、フットケア実施前後の唾液アミラーゼ活性値,脈拍,収縮期血圧,拡張期血圧,数値評価尺度,実施後の患者の感想を測定し分析した。その結果、フットケア前の唾液αアミラーゼ活性値は、フットケア終了後有意に低下した。脈拍、血圧も、フットケア終了後は有意に低下したことから、副交感神経活動が有意となったものと考える。また、数値評価尺度では、フットケア終了後は有意に心地よさが高まり、終了後の患者の感想は、「気持ちよかった」「身体が楽になった」「また受けたい」などがもっとも多かった。よって、心地よさを評価する尺度と、心地よさを示す発言の両方で、心理的心地よさを確認した。足浴・足部マッサージは、心理的、生理的に慢性期統合失調症者にリラクセーションに有効なケアであることが示唆された。本研究では、研究参加の不安を最小限にするため、実施場所は患者の希望に沿い実施したことから、実験環境を十分コントロールできなかったことが限界であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在活用しているフットケアのプロトコルの見直しを行うため、国外文献、国内文献を検討を行った。2020年2月に、看護における指圧マッサージ研究会の講師からフットケアのプロトコルについて助言をいただき検討する予定であった。しかし、予定した時期より新型コロナウイルス感染拡大により直接講師と会い意見を伺うことができなくなった。そのため、計画がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は、フットケアプロトコルを可視化するためリーフレットやDVDを作成する。また、フットケアの研修会を開催し、精神専門看護師・臨床看護師からプロトコルについての意見をヒアリング調査し、修正を加え洗練させる。現在、フットケアの生理学的、心理的側面から再検討した結果をまとめ学術誌へ投稿する予定である
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Causes of Carryover |
2020年2月に予定していた、フットケアプロトコルを、看護における指圧マッサージ研究会の講師から助言をいただき検討する予定であったが、コロナウイルス拡大により講師と直接会い意見を伺うことができなくなり予算執行が計画的にできなかったので今年度助言を受ける予定である。
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