2021 Fiscal Year Research-status Report
精神障害者の生活行動に急速な改善をもたらすフットケアによる看護援助モデルの開発
Project/Area Number |
19K10858
|
Research Institution | Meio University |
Principal Investigator |
鬼頭 和子 名桜大学, 健康科学部, 准教授 (90714759)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 啓子 名桜大学, 健康科学部, 教授 (60224573)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | フットケア / 慢性期統合失調症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、慢性期統合失調症者へ「ふれるケア」として足浴・フットマッサージを行い、生活行動にどのような効果をもたらすのかを検討し、臨床で活用可能な看護援助モデルを開発することを目的としている。 令和3年度に研究者らが作成した、精神疾患に多い症状のツボ押しを取り入れたマッサージのプロトコールを用い看護師3名にフットケアの技術指導を行った。その後2名の看護師が、長期入院する慢性期統合失調症患者6名に対し、フットケアを1か月間、週2回継続し行った。1名の看護師は、月に2回から3回、3か月間フットケアを行った。フットケア介入終了後に面接調査を行った。その結果、看護師は患者選定において、どのように介入していいのかわからない患者、落ち着きがない患者、易怒的な患者を選定しフットケアを実施していた。フットケアを行うことでの患者の変化では、自発的にナースステーションに来るようになった、清潔への関心が高くなった、会話が成立するようになった、穏やかになったなどの変化がみられた。また、フットケアの交流を通し、患者は自分自身の昔話をしたり、将来の希望について看護師に語った。これにより看護師は患者理解に繋がっていた。今後の臨床でのフットケアの活用では、患者の効果を実感した看護師は臨床の中で活用したいと語っていたが、フットケアを行う場所や時間の確保が課題であった。 令和4年3月に、当事者を対象としたマッサージ体験ワークショップを開催し、昨年度作成したフットケアのプロトコールを用いケアを実施した。6名の当事者がフットケアを体験し、頭がすっきりした、気持ちよかった、フットケアを受けた後は睡眠が十分とれた、などの感想が聞かれリラックス効果が得られることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和3年度の看護師へのインタビューは新型コロナウイルス感染症の影響により、精神科病院に立ち入ることも困難であり、研究協力依頼等が予定通りに進まず、年度末にインタビューを実施することとなった。そのため現在インタビュー結果を分析している。また、今年度予定していたフットケア講習会は、身体接触を伴うため開催ができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度のインタビュー結果をまとめ公表する。今年度も新型コロナウイルス感染症の収束の見通しが立たないため、許可をいただいている施設にてフットケア体験ワークショップを定期的に開催し、体験した当事者や医療福祉職にヒアリング調査を行う。また、2022年6月に開催される第32回日本精神保健看護学会において、当事者の方と協働しオンラインでワークショップを開催する。ワークショップ参加者から、希望者にフットケアフットケアDVDを配布し、フットケアDVD活用した感想をアンケートにより調査する予定である。
|
Causes of Carryover |
令和3年度も昨年に引き続き新型コロナ蔓延防止重点措置が取られ、大学においても外出等の制限が取られていた。そのため研究協力者との打ち合わせやインタビューが予定通りできなかったため、協力者への謝金の支出、データの外注費用、調査旅費などに残額が生じた。データ収集期間を次年度まで延長し行う予定である。
|