2022 Fiscal Year Research-status Report
精神障害者の生活行動に急速な改善をもたらすフットケアによる看護援助モデルの開発
Project/Area Number |
19K10858
|
Research Institution | Meio University |
Principal Investigator |
鬼頭 和子 名桜大学, 健康科学部, 上級准教授 (90714759)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 啓子 名桜大学, 健康科学部, 教授 (60224573)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | フットケア / マッサージ / 相互交流 / 精神科看護 / 統合失調症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、国内外でも非常に限られている慢性期統合失調症患者へのフットケアを用いた看護援助モデルの開発を目指している。 2022年度は、精神科大規模病院で勤務する3名の看護師が統合失調症患者にふれるケアとしてフットケアによる看護実践の様相を分析した結果、93コード、24サブカテゴリーから【不確かさの中でのマッサージ実施への戸惑い】【心地よさから得られた安心感】【相互交流の増加】【ふれるケアが織りなす患者―看護師関係の構築】【患者の主体性の回復】【マッサージ実施の充実感】の6つのカテゴリーに集約された。 フットケア開始前看護師は、患者と関わるきっかけさえ見いだせない状況であったが、フットケアが媒介となり患者は看護師に対し<大切な事を相談できる存在>となり、看護師もまた、<生活者としての患者との出会い>、<患者の希望を支えたい思い>を抱き【マッサージ実施への充足感】に繋がっていた。フットケア実施外においても看護師は<患者への意識的声掛けの増大>することで、患者からは<他のスタッフとは異なる強い親密さの表出>があった。フットケア以外の場面においても、<自室外で過ごす機会の増加><他者交流の増大>がみられ、【患者の主体性の回復】しセルフケアの拡大に繋がることが示唆された。 フットケア(ふれるケア)の認識では、8コードから【依存を助長させる関りになるという同僚からの評価】【女性が行うケアという男性スタッフからの評価】【自分の判断だけでは容易に実施できないケア】の3カテゴリーに集約された。この結果については、現在投稿している第43回日本看護科学学会にて発表を予定している。また、研究成果について、論文作成を進め学会誌への投稿を予定している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は、精神科就労施設にてフットケア体験ワークショップを合計3回に開催した。また、6月に開催された第32回日本精神保健看護学会学術集会において、当事者と協働し精神科看護におけるふれるケアの可能性についてワークショップを開催した。第42回日本看護科学学会学術集会交流集会において「ライフサイクルと活動の場でつなぐタッチケア・精神科看護実習におけるマッサージの活用」を発表した。 新型コロナウイルス感染症の影響により、インタビュー実施が滞り質的データの分析が遅れたが、研究実施期間の延長申請を行い、今年度は研究成果の公表ができる予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は研究最終年度であり報告書の作成や、学会への発表を計画している。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大のため、精神科病院での調査が大幅に遅れたことから、データの分析、結果の公表についても遅れ研究の延長が必要となったため。
|