2023 Fiscal Year Research-status Report
精神障害者の生活行動に急速な改善をもたらすフットケアによる看護援助モデルの開発
Project/Area Number |
19K10858
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Research Institution | Meio University |
Principal Investigator |
鬼頭 和子 名桜大学, 健康科学部, 上級准教授 (90714759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 啓子 名桜大学, 看護学研究科博士後期課程, 教授 (60224573)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 統合失調症 / マッサージ / フットケア / 看護援助 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、慢性期統合失調症患者へのフットケアを用いた看護援助モデルの開発を目指している。2023年度は「精神科臨床看護師が慢性期統合失調症患者にふれるケアとしてマッサージによる看護実践の様相」について、2023年12月に開催された第43回日本看護科学学会学術集会で報告した。この研究の成果から、相互交流が増加し、患者‐看護師関係の構築に役立つことが示唆された一方で、精神科臨床においてマッサージは、スタッフ間で共有されない現状が明らかになり、今後は、教育などに取り入れる必要性が明らかになった。 2023年度は、文献レビューによる「無為・自閉の慢性期統合失調症患者の看護実践内容」をまとめた。看護実践前の段階で、患者への接近に困難を極め、看護師は患者に接近するため何らかの工夫が行われていた。対象となった18文献では、研究介入前の患者の状態は、すべての文献で、自室で引きこもる等の症状があり、症状持続期間は平均18.6年であった。研究開始前の看護実践は、患者は【話しかけても無反応】であり、意思疎通が図れなく【患者理解の難しさ】から、【関わることへの諦め】【必要最低限の声掛け】など消極的な関わりとなっていた。研究開始後の看護実践は、患者の反応が無くても【看護師の存在を示す】姿勢を続け、タイミングを見計らい【会話の糸口を探る】、言語による反応がない場合、反応を確認しながらタッチングを用い【五感に働きかけ反応を確かめる】ケアがされていた。これにより、【関心を見つけ関わる機会を掴む】ことが可能となり、活動範囲拡大に伴い【外に向かう変化に伴う不安を緩和する】看護実践が行われていた。2024年度は、この研究成果を学会での発表、論文として投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度の調査結果の分析を踏まえ、関連学会で研究成果の報告を行った。 しかし、コロナ感染症の影響により、面接調査などが遅れたり、マッサージ研修会を実施困難となり、学会でのワークショップ実施に変更したため、関連学会での報告や論文のまとめが遅れた。調査の遅れに伴い、研究成果の発表が遅れていたが、昨年度に引き続き今年度も研究成果の報告を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は最終年度になるため、これまでの文献検討の学会での報告や、これまで面接調査および、当事者とのワークショップで得られた結果を踏まえて、今後のマッサージ活用に向けての研究成果の報告を行いたい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響により、精神科病院の面会制限が2023年度まで継続され、調査対象者が少なくなり、それに伴う音声データの文字変換などの経費が予定していた予算に至らなかった。また、調査の遅れに伴い、研究成果の発表が遅れていたが、昨年度に引き続き今年度も研究成果の報告を行う予定である。
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