2019 Fiscal Year Research-status Report
精神科看護師の看護専門職的自律性を高める心理教育プログラムの効果検証
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19K10860
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Research Institution | Gunma University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
酒井 美子 群馬医療福祉大学, 看護学部, 教授 (80412980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関根 正 東京医療学院大学, 保健医療学部, 教授 (20404931)
上原 徹 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 教授 (60303145)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 心理教育 / プログラムの有用性 / 看護専門職的自律性 / 職業的ID |
Outline of Annual Research Achievements |
精神科看護師の看護専門職的自律性を高めることを目的に構成したスキルアッププログラムの有用性を確認した。プログラムは4回のセッションを1クールとする内容で構成され、1回/月ペースで行い、1回のセッション時間は約2時間である。第4回で行うフォーカス・グループ・インタビュー法(FGI)による『参加しての振り返り』で得たデータを「精神科看護師の意識」を視点に内容分析を行った。 そして、知識や技術の獲得(知識)、他者や自己への気づき(感情)と実際のケア経験や実践(行動)、いわゆる「知」「情」「意」の視点で考察した。また、セッション前と後の看護師の職業的IDと看護専門職的自律性尺度データをwilcoxonの符号付け順位検定を行った。 FGIの内容分析の結果、精神科看護師は、【知識の広がりと深まりの実感】を得て、グループセッションでさらに【学びと実践との繋がりの実感】を通して【理論に基づいた看護の必要性】を認識し、日々の看護を理論によって意味づけ、【看護を説明することの大切さ】から専門性を意識していた。また、同じ悩みを持つ他者との共感を通して、【大切にしている看護】を共有し、【プログラム参加による効果の実感】を得ていた。そして、【知識不足の気づき】【知識の広がりと深まりの実感】から【精神科看護のスキルアップへの課題】となるビジョンに繋げていた。セッション前後の職業的ID ・専門職的自律性の変化では、有意差は認められなかった。しかし、職業的IDの平均値は13.5ポイント高くなり有意傾向を示した。看護専門職的自律性の平均点の低下はなく、実践能力、具体的判断能力、抽象的判断能力は有意傾向を示した。よって、構成したスキルアッププログラムは看護専門職的自律性を高まる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
精神科病院を回り管理者に研究の趣旨と研究方法を説明し、参加者依頼案内のチラシを配布していただき参加者を募った。参加者希望者は35名であり、ランダム割り付けを行い。心理教育プログラム介入前後のアンケート調査を行った。 プログラム介入は4回1クールであり4か月要する。仕事のシフト、家族の事情等で参加不可能となる対象もいた。台風被害の影響で延期することもあり、順調に介入は進めているものの、対象人数は予定人数を欠け、新たに参加希望を募りデータ収集の計画をした。しかし、今回の新型コロナウイルス感染の影響で介入は一時中止とした。 現在は、これまでの対象のデータを整理している状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、現在収集しているのデータを整理分析し、グループセッションでのフォーカスインタビュ内容の内容分析を行い、精神科看護の専門性を明らかにしていく。また、アンケート調査の前後比較による心理教育プログラムの有効性を確認する。その結果は、関連する学会に発表する予定である。 新型コロナウイルス感染の状況を踏まえながら、さらに参加者を募りプログラムの介入を行う。作成した心理教育プログラムの有効性を看護専門職的自律性、職業的アイデンティティ、自尊感情、レジリエンスの視点から確認する。サンプル数を増やし、信頼性、妥当性を確保する
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Causes of Carryover |
請求した助成金500,000円は、作成した心理教育プログラム介入を継続実施しサンプル数を増やすことに使用する。予定対象者は、24名を目標とす、1クール4回のセッシを4クール実施する。助成金は主に講師、参加者への謝礼金として活用し、また、結果の一部を関連学会発表の旅費に使用する。
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Research Products
(1 results)