2019 Fiscal Year Research-status Report
地域在住2型糖尿病患者に対する運動療法看護教育プログラムの長期効果
Project/Area Number |
19K10875
|
Research Institution | Komatsu University |
Principal Investigator |
山崎 松美 公立小松大学, 保健医療学部, 教授 (70454238)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 博 公立小松大学, 本部, 学長 (00115198)
誉田 恵理 公立小松大学, 保健医療学部, 助教 (20827141)
藤田 結香里 公立小松大学, 保健医療学部, 助教 (20827919)
松村 愛都 公立小松大学, 保健医療学部, 講師 (50828093)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 運動療法 / 糖尿病 / 患者教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、2型糖尿病患者の「運動療法のとらえ方からみた運動療法看護教育プログラム」の開発をし、介入研究によりその有効性を検証することを全体構想としており、本事業における研究目的は、地域在住2型糖尿病患者に対する「包括的糖尿病セルフマネジメント教育システム」を確立し、「運動療法のとらえ方からみた運動療法看護教育プログラム」の長期効果を評価することである。 今年度は、地域住民を対象とした場合の「運動療法看護教育プログラム」の精緻化および具体的実施方法の検討、地域の糖尿病対策の現状に関する情報収集を行い、同時に、「包括的糖尿病セルフマネジメント教育システム」の確立に向け、地域で糖尿病対策を実施している保健師との打ち合わせ、小松市医師会糖尿病対策担当理事の医師との打ち合わせ、小松市医師会糖尿病連携推進協議会への提案を実施した。 その結果、募集対象者は、特定健康診断でグリコヘモグロビンが7.0%以上の人で、尿蛋白±以上またはeGFR60未満とし、平成30年度では163名の対象者がいることが明らかとなった。更に、参加条件として眼底検査を受けていること、主治医より参加許可が得られること、グリコヘモグロビンが10%以上の人は尿ケトン体の確認が必要であることなどを、設定した。また、特定健康診断受診者以外でも、糖尿病で外来通院している人で、主治医が参加を勧めた人も対象とすることで、参加者を募集することとなった。 現在は研究実施に向けた倫理審査中であり、今後は、具体的な「包括的糖尿病セルフマネジメント教育システム」の確立に向けた、理学療法士、管理栄養士、薬剤師、糖尿病看護認定看護師などと具体的打ち合わせを実施しながら、参加者募集を開始する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究が遅れてきた要因は、倫理審査が長引いていること、および人との接触を避けなければいけない現状、つまり打ち合わせができないことや、集団教育を主とした本事業の先行きが見えなくなったためである。 本研究は、「運動療法のとらえ方からみた運動療法看護教育プログラム」の長期効果を評価するために、対象者に教育プログラムを実施するが、その前に「包括的糖尿病セルフマネジメント教育システム」を確立し、そのシステムの中で介入をしていく計画である。そのため、「研究介入」と「セルフマネジメント教育システムとしての介入」とが入り混じっており、その面を明確に説明できていないことで、倫理審査が難航している。また、現段階では、介入実施の可否および介入で対象者を理想とする方向に導くことができるのかを見るための、いわゆる探索的な介入、つまりプレテストの段階ため、対照群は設けていないが、対照群を設けないことの理由の説明が不足している点も、倫理審査が難航した要因となったと考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度の最初の課題は倫理審査で承認されることであり、その後、集団教育が可能となる時期を見極めながら、理学療法士、管理栄養士、薬剤師、糖尿病看護認定看護師などと具体的打ち合わせを実施し、今年度中には1回目の介入を実施していく。 倫理審査に関する対策として、何故、対象者全員に「包括的糖尿病セルフマネジメント教育システム」介入が必要であるかの説明が必要であるが、これは、主治医や施設の違う地域の糖尿病患者を対象としており、患者教育の経験に関する条件が全く違うため、条件をそろえながら運動療法介入がうまくいくか見る必要があるためであることを、今後は明確に説明していく予定である。また、対照群を設けた比較研究の前段階である事も、説明していく。 「包括的糖尿病セルフマネジメント教育システム」のスタッフ組織を確立することも課題であるが、今年度は、糖尿病関連の研修会なども活用し、様々な職種の人に声をかけ、組織を確立していく予定である。
|
Causes of Carryover |
今年度中に実施する予定であった研究介入が実施できなかったため、介入実施に関わる予算を次年度に繰り越すこととなった。研究介入内容は大きな変更は生じていないため、研究介入に必要な予算は予定通り使用していく。
|