2021 Fiscal Year Research-status Report
NIRSを用いたALS患者の認知レベルの評価とコミュニケーション支援を目指して
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19K10880
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Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
伊東 朋子 大分県立看護科学大学, 看護学部, 非常勤講師 (30305841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松成 裕子 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (00305848)
品川 佳満 大分県立看護科学大学, 看護学部, 准教授 (30347702)
松川 寛二 広島大学, 医系科学研究科(保), 名誉教授 (90165788)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / 認知レベル / TLS完全閉じ込め状態 / NIRS / 前頭側頭型認知症 / 嗅覚刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目的はALS患者を対象に入院している者、自宅療養中の者を問わず、ALS患者の脳血流状態を計測し、認知レベルの評価を行い、その評価に応じたALS患者へのコミュニケーション支援のあり方について検討するものである。昨年度はコロナ禍の中で、ALS患者のみならず、健常者をも対象に実施することは難しく、研究は中断されていた。今年度もALS患者を対象に研究実施することは難しい状況であったが、健常者を対象にした研究は感染状況を確認しながらであれば可能であることから、ALSの好発年齢である60歳以上の健常者30名(男性15名、女性15名、平均年齢は男73.0±7.2歳、女75.3±11.7歳)を対象に嗅覚刺激による脳血流状態の変動をNIRSを用いて計測した。嗅覚刺激には令和1年度に実施した若年健常者に用いたものと同一の5種類の嗅覚測定用基準臭を用いた。 その結果、嗅覚刺激による快・不快度は「花のにおい」と「あまいこげ臭」は快適ニオイとして度数が高く、「むれた靴下」と「かび臭いにおい」は不快なにおいとして度数が低く、若年健常者とは快適ニオイと評価する順位が異なっていた。ニオイの感想での自由記述においては「良いニオイ」「どちらでもない」「嫌なニオイ」の3つにカテゴリー分けをして検討したが、快・不快度と同様に「花のにおい」「あまいこげ臭」は良いニオイとしての記述が多く、「むれた靴下」「かび臭いニオイ」は嫌なニオイの記述が多くみられた。基準臭と酸化ヘモグロビン濃度との関係については現在、解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19蔓延に伴い、令和2年度の研究が実施できていなかったが、令和3年度には健常者を対象に脳血流状態は計測できている。しかしALS患者を対象にした計測部分が未実施であり、遅滞しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
入院患者さんだけではなく、在宅療養中のALS患者さんを主たる対象者に実施予定
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Causes of Carryover |
COVID-19蔓延に伴い、入院中の実験対象者への依頼を行うことが出来ず、被験者になっていただいた方への謝金等の未使用額が生じた。次年度、入院施設以外で療養中の在宅患者さんへの謝金等に充当する予定である。
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