2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of PICS care nursing education program for ICU survivors.
Project/Area Number |
19K10887
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
牧野 晃子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 助教 (40791489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇都宮 明美 京都大学, 医学研究科, 准教授 (80611251)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 集中治療後症候群 / PICS / 看護外来 / フォローアップ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は集中治療後症候群(Post intensive care syndrome:以下PICS)の予防と改善に向け、特に集中治療後の看護に携わる病棟看護師、外来看護師を対象とした看護師教育プログラムの開発を目的としている。2020年度は、多施設における病棟、外来看護師を対象としたインタビューを計画していたが、国内外のCOVID-19感染拡大の継続により、実施が困難な状況となったため、必要な看護ケア方法の検討を行うために文献検討、および集中治療後の患者に関するカルテ調査の計画を追加した。 ①文献検討 フォローアップが必要となる対象には呼吸器系疾患に次いで循環器疾患、敗血症を含む感染症の患者が多いことがわかっている。特に集中治療を受けた循環器疾患患者においては、集中治療後のPICSフォローアップに加え、疾患特性を踏まえたリスクアセスメントが重要であり、これらを包括したフォローアップの構築と外来フォローアップにおける実態調査の必要性が示唆された。さらに、集中治療後の患者に対する継続ケアによる日常生活活動への効果を明らかにするためにシステマティックレビューでは、ICU退出後3ヶ月の身体機能、および認知機能の改善における効果には十分なエビデンスがないことがわかったが、国内外の医療システムの違いやフォローアップ体制が異なることを考慮し、日本における調査が必要であると考察された。システマティックレビューについては研究計画をPROSPEROに登録した。出版準備を継続している。 ②チャートレビュー 文献検討の結果を踏まえ、集中治療を受けた患者の日常生活活動に関するカルテ調査を計画した。研究協力者、および専門家からのヒアリングを行い、現在、研究施設における倫理審査完了し、準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
多施設における病棟、外来看護師を対象としたインタビューを計画していたが、国内外のCOVID-19感染拡大の継続により、実施が困難な状況となった。そのため、必要な看護ケア方法の検討を行うために文献検討、および集中治療後の患者に関するカルテ調査の計画を追加し、研究計画を変更する必要が生じた。しかし、研究計画の段階において、インタビュー調査の段階での遅れた場合については想定範囲内であり、研究計画の変更により対応可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は集中治療後症候群(Post intensive care syndrome:以下PICS)の予防と改善に向け、特に集中治療後の看護に携わる病棟看護師、外来看護師を対象とした看護師教育プログラムの開発を目的としていたが、これまでの研究結果から、国内外の医療体制、PICSフォローアップ体制が大きく異なることが明らかとなり、国内における集中治療後患者に合わせたPICS フォローアップが必要であることが示唆された。看護師の教育プログラムの構築には、患者の実態調査が不可欠であり、2021年度は集中治療後の患者の実態調査を追加実施し、並行して病棟看護師、外来看護師へのヒアリングを計画する。本研究は、対象患者の関連する集中治療に携わる医療職者への負担を考慮し、COVID-19感染状況により、多施設でのインタビュー調査はできないことが予測される。その場合には、単施設での調査、またはオンラインの活用によるインタビューに切り替えて実施することで対応可能である。海外における学術集会がオンライン開催となったため、追加で実施予定の計画費用に使用する。
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Causes of Carryover |
2020年度は国内外の情勢不安定において、予定していた海外研修および学会参加に必要な経費の使用ができなかった。2021年度においても海外研修は困難であることが予想され、既に学術集会はオンライン開催が決定している。また、これらの感染拡大に伴う影響により、研究計画を一部変更し追加の研究計画として患者インタビューを予定した。また、分担者との研究会議においては、出張経費にかわり遠隔会議システムの拡充が必要になる。研究施設における研究協力者と遠隔の分担者との会議において必要な物品などの購入に変更する。また、在宅ワークの推奨に伴い自宅や遠隔でのデータ分析が必要になることも予測される。
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Research Products
(1 results)