2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of PICS care nursing education program for ICU survivors.
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19K10887
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
牧野 晃子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 助教 (40791489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇都宮 明美 京都大学, 医学研究科, 准教授 (80611251)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ICUサバイバー / PICS / 集中治療後症候群 / フォローアップ / 循環器外科 / 心臓手術後 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年に引き続くCOVID19の影響により、海外の医療施設における視察、看護師インタビューともに実施困難な状況となったため、集中治療後の看護師による継続ケアに関するシステマティックレビュー、集中治療後の身体機能、および認知機能に関するカルテ調査によるチャートレビューを先行して行った。前年度実施した集中治療後のフォローアップ外来に関する研究の動向から、集中治療後の循環器疾患患者に対するフォローアップについて検討を進めている。 集中治療後の看護師による継続ケアに関するシステマティックレビューでは、ICU退出3ヶ月後のADL/IADL、認知機能について、3つのデータベースからシステマティックレビューを行なった。評価尺度は多様であり、メタ解析が可能であったのは、FAQスコア、Mini-Mental State Examスコアのみであり、結果は不十分であったが、集中治療後のフォローアップにおいて看護師が提供するケアの継続性が患者の転帰を改善する可能性があることが示された。フォローアップの方法として、電話やテレビ電話などを使用した遠隔からの看護相談の活用に期待ができることが明らかになった。退院後の患者、それぞれのニーズに合わせたフォローアップの必要性やフォローアップ方法を検討するための示唆となった。 集中治療後の日常生活に関する実態調査(チャートレビュー)では、心臓手術を受け、集中治療室に入室した患者(A施設199名)を対象にチャートレビューを行った。主要評価項目である身体機能評価において、分析可能な55名の結果では、年代、性別に関係なく退院後の身体機能低下を示した。また、限定的な結果ではあるが、大動脈解離の患者で特に低下を認めていた。認知機能については、評価がされておらず認知機能評価の必要性が示唆された。高齢者のみならず、退院後のフォローアップの必要性が示される結果となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
看護師を対象としたインタビュー調査の1年程度の遅れについては想定範囲であり、先行して文献検討を行ったが、想定以上のCOVID19の影響が長期間となり、予定していた海外視察をはじめ、多くの計画変更が余儀なくされた。COVID 19に関連した看護師の出勤停止や配置変更、通常業務への支障は今後も引き続くことが予想されるため、計画遂行にむけ計画の一部修正をおこなった。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度までの研究結果から、集中治療後の循環器疾患患者に対するフォローアップ、特に不安や抑うつの評価と介入の重要性や、心理社会的な支援においては統一したスケールがなく、看護師に任されていることがわかった。心理的苦痛は、しばしば抑うつや不安と同一に考えられているが、区別して考える必要があり、症状に応じて尺度を用いて評価すべきであることが示されている。看護師に対するPICSケア教育においては、多様なPICS症状に関するアセスメント指標が不可欠であるため、2022年度は、集中治療後の苦痛に関する国内外のスコーピングレビュー、および集中治療後の患者を対象としたインタビュー調査を追加し、アセスメントツールの作成を計画している。看護師のアセスメントツールは、PICSフォローアップを行う看護師が患者の苦痛を早期に発見するための指標として期待でき、看護師教育プログラムに発展させる。
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Causes of Carryover |
想定以上のCOVID19の影響が長期間となり、予定していた海外視察をはじめ、多くの計画変更が余儀なくされた。COVID 19に関連した看護師の出勤停止や配置変更、通常業務への支障があり、予定した計画が進められず、1年間の延長申請を行った。使用額は、2022年度の研究計画に使用予定である。
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