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2019 Fiscal Year Research-status Report

COPD治療に最適なアロマセラピーを用いた呼吸リハビリテーションの構築

Research Project

Project/Area Number 19K10901
Research InstitutionOkayama University

Principal Investigator

柴倉 美砂子  岡山大学, 保健学研究科, 准教授 (30314694)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 森本 美智子  岡山大学, 保健学研究科, 教授 (50335593)
篠畑 綾子  岡山大学, 保健学研究科, 助教 (70335587)
宮原 信明  岡山大学, 保健学研究科, 教授 (70335610)
飯尾 友愛 (上野友愛)  岡山大学, 保健学研究科, 助教 (80613158)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
KeywordsCOPD / アロマセラピー / 精油 / 呼吸リハビリテーション
Outline of Annual Research Achievements

ヒト単球系細胞THP-1をマクロファージに分化させて、精油と慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬で処理した後に、タバコ抽出液(CSE)で刺激して、炎症性サイトカイン発現、シグナル伝達経路および貪食能を指標として、精油とCOPD治療薬との相乗作用を検討する計画であった。予備実験において、指標として用いるCSE誘導性炎症性サイトカインの発現は、ラベンダー精油とユーカリ精油で抑制されることを明らかにしていたが、再現性を確認した。また、CSE活性化シグナル伝達経路に対する精油の作用を明らかにするために、活性酸素などのストレス刺激によって活性化されるNF-κB、p38 MAPK、JNK経路について検討した。CSE刺激によってNF-κB、p38 MAPK、JNK経路はすべて活性化されるが、精油はJNK経路を抑制することが明らかになった。精油が抑制するCSE誘導性炎症性サイトカインとシグナル伝達経路が判明し、精油の作用を評価する指標が確立できた。また、CSE刺激によってマクロファージの貪食能が低下する傾向は確認できているが、貪食能に対する精油の作用は検討できていない。
次に精油とCOPD治療薬との相乗作用を明らかにするために、まずCOPD治療薬である長時間作用性抗コリン薬(チオトロピウム)単独でのCSE誘導性炎症性サイトカインへの作用を調べたところ、明らかな発現抑制を認めなかった。そこで、COPD治療薬をテオフィリンに変更して同様の実験を行ったところ、高濃度でCSE誘導性炎症性サイトカインの発現抑制傾向が確認できた。しかし、精油とテオフィリンとの相乗作用については、まだ検討できていない。また、ラベンダー精油やユーカリ精油と同じ作用を持つ精油のスクリーニングも検討できていない。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

精油の作用を評価するための指標である、CSE誘導性炎症性サイトカインの再現性が得られなくなり、原因究明に時間がかかった。試薬や細胞培養条件などの影響を調べたが原因を明らかにできず、予備実験で発現上昇していたCSE誘導性炎症性サイトカインの一部は、反応がなくなってしまった。このため研究計画に遅延が生じ、貪食能の評価や精油とCOPD治療薬との相乗作用を検討するに至らなかったのは反省点である。一方、CSE刺激によって活性化されるJNK経路を精油が抑制する事は、大きな発見であった。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究は、まずCSE刺激によるマクロファージの貪食能低下に対する精油の作用を明らかにする。その後、マクロファージにおけるCSE刺激に対する、精油とCOPD治療薬(テオフィリン)との相乗作用について、炎症性サイトカイン、シグナル伝達経路、貪食能を指標にして検討する。精油とCOPD治療薬との相乗作用が明らかでない場合は、抗酸化作用のある食品機能性成分がCOPDの改善に効果的であるという報告がなされているため、食品機能性成分との相乗作用を検討する。
ラベンダー精油とユーカリ精油を中心に研究を進めているが、他に同様の作用をもつ精油のスクリーニングも行う。マクロファージの組織破壊や修復能に関係する細胞外マトリックス分解酵素に対する精油の作用は、酵素免疫測定法などで測定する予定である。

Causes of Carryover

指標として用いるCSE誘導性炎症性サイトカインに再現性が得られなくなり、原因究明に時間がかかった。そのため、研究計画に遅延が生じ将来計画している臨床研究の準備が進まず、経費を使用できなかった。当該予算については、次年度、臨床研究の準備を進めるため、本件に関連して必要となる物品等の購入費用に充てる予定である。

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Published: 2021-01-27  

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