2019 Fiscal Year Research-status Report
多発性硬化症患者の治療継続におけるアドヒアランスを高める看護支援方略の構築
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19K10911
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
瀬尾 昌枝 順天堂大学, 医療看護学部, 助教 (70613272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 きよ子 順天堂大学, 医療看護学部, 特任教授 (50212361)
長瀬 雅子 順天堂大学, 医療看護学部, 先任准教授 (90338765)
鵜澤 久美子 (桑江久美子) 順天堂大学, 医療看護学部, 助教 (50635167)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 多発性硬化症患者 / 治療継続 / 疾患修飾薬 / 再発予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019度は多発性硬化症患者が考える再発予防治療継続の促進要因と課題を明らかにすることを目的に、多発性硬化症患者と内服治療を中心とする慢性疾患患者の治療継続に関する文献レビューを行った。この結果をもとに、現在内服薬による再発予防治療を行っている多発性硬化症患者にインタビュー調査を行った。 インタビュー調査では対象者の全員に飲み忘れの経験があった。内服治療を継続するための工夫として、薬を飲むことを生活の一部として取り込むことが語られた。治療を継続するその背景には再発や病状の進行に対する恐怖や不安、再発により患者自身の今後の生活に及ぼす影響が語られた。特に子どもを持つ患者は出産後の再発の経験から、自身の症状だけでなく、そのことが家族へ及ぼす影響に関する不安が語られ、「治る病気ではないから現状維持」という思い抱えながら日々内服をしていた。また医療費の補助により内服治療が継続できる、医療費を稼ぐため仕事をしているという経済的側面に関する体験が語られた。さらに、飲み忘れをした場合の対処方法や内服中の生活上の注意に関する知識の不足や治療の関する情報の不足、情報の信頼性に対する不安が語られた。疾患修飾薬について主治医以外の医療者の知識不足や理解不足、生活への理解不足が語られた。一方で自己注射から現在の治療に変更した患者は注射を自分で打つことの恐怖が消失したこと、旅行や出張が以前より行きやすくなったなどQOLが向上していることも語られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
インタビュー調査準備のための文献レビューに時間がかかったこと、インタビュー調査のための倫理審査が遅延した。そのため、2019年度中に終了する予定だった患者を対象としたデータ収集が途中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、次年度は患者対象のインタビュー調査結果を質的帰納的に分析する。また再発予防治療を継続するための医療・看護の現状について看護師・医師を対象にインタビュー調査を実施する予定である。それぞれの分析結果を統合し、再発予防治療継続と課題について明らかにする。この結果をもとに再発予防治療継続の要因と課題に関する質問紙を作成する予定である。
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Causes of Carryover |
2019年度に実施したインタビュー調査が、予定をしていた人数より少なかったため次年度使用金額が生じた。翌年度分として請求した助成金は2019年度に実施できなかったインタビュー調査を2020年度に実施する予定であり、そこで使用する予定である。
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