2020 Fiscal Year Research-status Report
透析予防外来へ通院する患者の自己管理への動機づけを促進する支援システムの構築
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19K10914
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Research Institution | Yokohama Soei University |
Principal Investigator |
山本 佳代子 横浜創英大学, 看護学部, 教授 (40550497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥宮 暁子 三育学院大学, 看護学研究科, 教授 (20152431)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 透析予防外来 / 自己管理支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
COVID-19感染拡大により医療機関での調査ができなかったため、文献検討を行い、研究の焦点をさらに絞っていった。 文献検討では、透析を行っていない慢性腎臓病患者の課題として、患者の30%ほどは日常生活管理が遵守できていないことや、うつ症状や慢性疼痛などの出現率が高いこと、フレイルを呈する患者も多いことが報告されていた。また、患者の感じる障壁としては、知識不足ではあるものの、その詳細として「情報が多すぎる」「自分の状態を管理する方法についてのガイダンスをしてもらえない」という思いがあることが分かった。 慢性腎臓病患者への教育的介入では、多職種による教育介入やWeb上の食事評価システムなどが試みられており、腎機能低下の進行を遅らせたり、透析導入後の死亡率を減少させていた。ただし、介入する看護師が血液透析施設のスタッフであった場合には血液透析をより多く勧め、患者が選択する割合も増えていたことから、だれがどう介入するかによって患者の意思決定に多大に影響することが分かった。複数の論文で透析前慢性腎臓病患者への支援提供者のコミュニケーション能力の不足や開発の重要性について言及されており、より確実な介入方法とその実施者の育成が課題であると言える。 以上のように、介入の結果は、検査データや死亡率などの転帰による評価が多かったが、そこに関連する要因として、患者の腎疾患への認識の違いによって腎機能低下速度への影響が確認されており、透析前の介入には、行動面だけでなく認識面の改善を図ることが重要であると言える。今後はこの結果をもとに、介入の内容の精錬と効果評価項目の決定を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和2年度は透析予防外来看護師の活動の実際を調査しながら進める予定であったが、COVID-19感染拡大のため、医療機関の看護師との打ちあわせや、活動の実際を臨地に入って調査することが全くできなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き感染予防のため、医療機関内での調査は許可が下りないと考えられるため、海外の透析前患者教育や支援とその効果に関するレビューを継続する。また、看護師を対象とした調査のみの実施などの可能性について検討していく。
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Causes of Carryover |
COVID-19感染拡大により、参加予定学会の1年延期、およびオンライン開催への変更により旅費の使用が不要となった。今年度は開催される学会への参加、医療機関への移動による交通費や、文献取り寄せなどに使用する予定である。
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Research Products
(1 results)