2019 Fiscal Year Research-status Report
がん患者の緩和ケア主体治療へのTransitional Care Model開発
Project/Area Number |
19K10933
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
庄司 麻美 高知県立大学, 看護学部, 助教 (00737637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 佐和 高知県立大学, 看護学部, 教授 (80199322)
森本 悦子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (60305670)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Transitional Care Model / 多職種・他部門連携・協働 / 外来治療 / がん患者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、外来における多職種・他部門との連携・協働を基盤とした「がん患者の緩和ケア主体の治療へのTransitional Care Model」を開発することである。 2019年度は、がん患者の緩和ケア主体の治療へのTransitional Careの要素を抽出するために、医学中央雑誌web版、CINAHLを用いて、緩和ケア主体の治療に移行するがん患者の体験、援助および課題に関する国内外の文献検討を行った。緩和ケア主体の治療に移行するがん患者の体験について「がん」「緩和ケア」「移行」をキーワードに、化学療法を継続する進行がん患者の体験について「がん」「進行」「化学療法」をキーワードに、関連文献を抽出した。さらに、緩和ケア主体の治療に移行するがん患者の援助について、療養場所の移行を伴うことも多かったため、在宅緩和ケアや在宅療養への移行支援に関する文献も含めて文献検討を行った。 文献検討の結果、がん患者の緩和ケア主体の治療へのTransitional Careとして、チーム医療を基盤に、患者・家族の認識の把握、経過の見通しに基づく移行時期の見極め、身体症状の緩和、心理社会的苦痛の緩和、安心を支える援助、自分らしさを支える援助、適切な情報提供、患者・家族を尊重した意思決定支援が必要であり、特に化学療法の継続が困難になる時期を見据えた支援および患者・家族の心理的支援が重要になると考えられた。 これらの知見をもとに、外来において化学療法を受けるがん患者の緩和ケア主体の治療へのTransitional Careを実践するがん看護専門看護師の実践に関する面接調査に向けて、インタビューガイドを作成しており、次年度は面接調査に取り組む予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
緩和ケア主体の治療への移行に関連する文献が少なく、当初計画していた期間よりもがん患者の緩和ケア主体の治療へのTransitional Careの要素の抽出に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
外来において化学療法を受けるがん患者の緩和ケア主体の治療へのTransitional Careを実践するがん看護専門看護師の実践に関する面接調査に向けて、今後は所属施設および研究協力施設の倫理審査を受審し、データ収集、分析に計画的に取り組む予定である。 新型コロナウイルス感染症の状況によっては、調査時期や方法について検討する必要がある。
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Causes of Carryover |
今年度は面接調査の実施に至らなかったため、当初計画していた旅費および謝金が、残額として生じた。 次年度は、面接調査の実施および分析に取り組む予定であり、調査への協力依頼と面接調査の実施に必要な旅費および謝金、インタビューデータのテープ起こしを外部に委託する費用として適正に使用する。
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