2020 Fiscal Year Research-status Report
大学と医療施設との連携による胃切除術後患者の体力向上のための運動プログラム開発
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19K10939
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
鈴木 明美 大東文化大学, スポーツ健康科学部, 講師 (20525183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 明 大東文化大学, スポーツ健康科学部, 教授 (30211311)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 胃切除術後 / 体力回復 / 運動プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
術後早期から継続したがん患者のリハビリテーションが推奨されている。その目的は、がんの治療により生じる2次的障害を予防し、運動機能や生活機能の低下予防・改善に繋ぐことである。さらに、身体面の機能回復のみならず、精神的な安定の回復にも効果をもたらすことも考えられる。しかし、手術後患者の退院後の活動については、未だ医療者の経験的な判断および患者の認識や判断にまかされている現状にあり、がん患者の術後の身体活動や体力の向上とQOLの向上は、不明な点が多い。このため、胃切除術後患者のQOL向上には、その回復過程を明らかにすること、医療施設内の職種間連携だけでなく、地域社会にある運動の専門研究機関や健康増進施設における専門的な知識や施設が連携した運動プログラムの開発を求めている。本研究の核心をなす学術的「問い」である、胃切除術を受けた患者の体力は、手術後の経過と共に回復するが、その回復の度合いは手術後の身体活動の多寡に関連するという仮定に基づいて、胃切除術後患者の身体侵襲回復過程において、医学・看護学・理学・体育学の各分野の専門家からの意見を集中・検討し、運動プログラム案を作成するに至った。 現在、作成した運動プログラム案の活用と並行し、プログラムの安全性・有効性検討のため第1段階 健常者への適応を検討している状況である。活用にあたり感染状況への対応をふまええること必要であり、修正を行っている。 最終的には、病院施設にて療養している患者を対象にプログラムを導入し、退院後の状況までを検討し、実測定データをもとに明らかにし、胃切除術後患者が負担なく続けることができる体力回復に有用な運動プログラムの確立につなげる方向である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
有用性や安全性について、医学・看護学・理学・体育学の多方面から検討し、意見を集約する形で、さらなる文献の整理と読み込み作業をすすめてきた。このため、プログラムの作成に時間を要した。さらに当初、プログラム作成にあたり、健常者に適応を行いながら、評価・修正の方向であった。しかし、研究期間中感染症流行対応の必要が生じ、対象を集合させて協力を得るなどの状況に困難が生じた。また、プログラムそのものに対して感染症流行下における配慮が必要となった。実測データを得るにあたり、環境の設定や方法について、方法の再検討が必要である。このため、一般健常者への適応については、対象者獲得方法の転換など依頼方法の再検討が必要である。 さらに、最終的な対象者である胃切除術を受ける患者との接触は、感染状況に伴い非常に難しい状況であるとの返答を各依頼施設より得ている状況である。今後、感染の終息を待っても、病院内における調査研究については、感染面への詳細な配慮が引き続き求められるものと考えられる。このため、協力を得る方策および研究員についても再検討が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
感染症流行下のなかでの、実測データの収集が必要となった。このため、運動プログラムの適応におけるデータ収集の方法について検討が必要である。 一般健常者への適応については、当初想定していた集団情報収集ではなく、Snow Ball方式への転換など依頼方法をとり、1例ずつの情報収集を丹念に行う。 胃切除術後患者を対象としたデータ収集については、引き続き協力を得られる施設をあたっていく。同時に、研究分担者、研究協力者として当該施設にある研究者の協力を求めていく。
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Causes of Carryover |
計画進行の遅れに伴い実質の調査を今後行っていくため、本年度に物品の購入を行い、健常者の調査をすすめ、その後、胃切除術後患者の調査を行う。実測データの収集に備えていく必要がある。このため、次年度の使用額が生じている状況である。
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