2021 Fiscal Year Annual Research Report
「食道癌術後患者へのケア・コーディネーションによる食の再獲得支援モデル」の構築
Project/Area Number |
19K10940
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
三浦 美奈子 杏林大学, 保健学部, 非常勤講師 (00320862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 智子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 国立看護大学校 大学校長 (20151615)
矢富 有見子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 国立看護大学校 教授 (40361711)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 食道癌 / 術後 / 食 / ケア・コーディネーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「食道癌の手術を受けた患者へのケア・コーディネーションによる食の再獲得支援モデル」を構築することである。そのため、食道癌術後患者への調査により、食の実態について食の再獲得の視点から明らかにすることを予定した。さらに医療者への調査により、食道癌術後患者の食の支援における各医療者の役割についてケアコーディネーションの視点から明らかにすることを予定した。倫理委員会の承認を受け調査を行った。 まず、食道癌根治術を受けた患者15名を対象に手術後の食事開始時から術後1年までの期間の食の体験についてインタビューと参加観察を行った。患者らは術後早期から、手術によって変化した身体への戸惑いや食べることの困難さに直面し、より苦痛が少なく食べられる方法を模索していた。 同時に、食道癌根治術を実施している首都圏の病院において、食道癌術後患者の食支援を実施している医療者(病棟看護師、外来看護師、外科医師、管理栄養士、栄養サポートチームメンバーである看護師・医師・管理栄養士、言語聴覚士、薬剤師)計16名を対象にインタビューを行った。医療者はそれぞれの専門性をいかし食道癌術後患者の支援を行っていたが、同時に、多職種が連携してケアにあたる重要性やより統合された形でケアが提供される必要性、さらに退院後の患者への継続的な支援が課題であることが明らかになった。 これらの結果から、食道癌術後患者の食の再獲得を支援するにあたり、個々の体験を十分に理解し統合したケアを行うことの意義が示された。
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