2019 Fiscal Year Research-status Report
エンドオブライフ期慢性疾患患者の体験理解に基づく生き方支援看護実践指針の開発
Project/Area Number |
19K10941
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Research Institution | Tokyo Health Care University |
Principal Investigator |
谷本 真理子 東京医療保健大学, 医療保健学部, 教授 (70279834)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 慢性疾患ケア / 緩和ケア / セルフケア / セルフマネジメント / 人生の最終段階 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性疾患患者が終末に至る過程で緩和ケアの考え方は重要となるが、慢性疾患患者の治療ケアの文脈に緩和ケアを取り入れていくことには難しさがある。そこで、患者が終末に至る過程で本人の主体的な参画を重視する慢性疾患ケアと緩和ケアがどのように述べられているかを探索するため文献検討を行った。データベースはAcademic Search Premier, PsycINFO, MEDLINE, Cochrane, CINAHL, eBook Collection(EBSCO host)とし、“end of life care”or“end of life” or “terminal care” or “Palliative care” or “ACP” or “Advance care planning”AND“non cancer”or “non malignant”or “serious illness” or “chronic illness”AND“self care” or “self management” or “self control”を検索式として検索を行った(1990~2020年)。重複文献を除く115件の論文から抄録なしは除外し、抄録に慢性疾患ケアと緩和ケアの関連が述べられた論文29件を分析した。2000年以前2件、2000~2005年0件、2006~2010年4件、2011~2015年7件、2016~2020年16件と近年増加がみられた。論説7件、文献レビュー4件、インタビュ―調査10件、質問紙調査1件、介入研究3件、混合研究1件、その他が3件。対象者は、非がん疾患8件、非がん疾患患者と家族8件、がん患者3件、がんと非がん疾患患者2件、重症患者(Serious Illness)3件、高齢患者2件等であった。慢性疾患ケアに緩和ケアを位置付けた内容の論文が12件、緩和ケアに慢性疾患ケアを位置付けた内容の論文が14件で、前者は患者の病の成り行きの理解不足、患者の負担や苦痛が背景にあり、後者は患者の満足や自信の向上、患者個々の課題対応促進、身体機能改善、家族の負担、治療技術とテクノロジーの進歩などが背景となっていた。慢性疾患ケアと緩和ケアの両者が前提となった論文は3件あり、これらは患者の病の軌跡全体、疾患特性に根差した内容であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
他業務により研究への取り組みが後ろ倒しとなり年度末にフィールド調整を行う予定であったが、COVID-19の影響によりフィールド調査の見通しがたっていない。研究目的の実現のために研究計画の変更を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
所属施設のCOVID-19対応の倫理指針に沿って、研究の目的を達成するための方法については見直し、再計画を行う。2020年度前半には計画を立て直し、研究倫理審査にかける予定である。
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Causes of Carryover |
文献検討に経費が発生しなかった。さらにフィールド調査の調整に着手できておらず、そのために必要な経費が未使用である。研究計画を見直し、計画の遅れに対応するべく、研究補助者を雇用してすすめていく。
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