2021 Fiscal Year Research-status Report
エンドオブライフ期慢性疾患患者の体験理解に基づく生き方支援看護実践指針の開発
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19K10941
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Research Institution | Tokyo Health Care University |
Principal Investigator |
谷本 真理子 東京医療保健大学, 医療保健学部, 教授 (70279834)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 慢性疾患 / エンドオブライフケア / 体験理解 / 質的研究 / 軌跡 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、慢性病を持つ人の終末に至る病みの軌跡や経過における体験に関する研究レビューを進めた。データベースはCINAHLおよびMEDLINEで、検索範囲は2000年~2021年、検索キーワードは【chronic illness chronic disease】 and【qualitative research or qualitative study or qualitative methods or interview】and 【trajectory or trajectories】not 【child or children】とし、①慢性の経過をたどる病を対象としている。②データは当時者(患者または家族)の経験を明らかにする質的研究である、③亡くなるまでの経過に着眼している論文を選定基準とした。選定された33研究の出版年は2003年~2020年、対象者の病の種類は、COPD,心不全、腎不全、がん、神経難病、HIV、高齢慢性疾患患者、認知症、等であった。研究地域は欧米諸国(欧州、北米)が30件、内、英国が13件と最も多く、残りの3件は、アフリカ(ウガンダ)2件、アジア(台湾)1件であった。調査方法は主にインタビューであった。患者に対する前向調査、遺族に対する振り返り調査の他、患者と公式・非公式ケア提供者を含む調査もみられた。分析方法は、解釈的現象学、グラウンデッドセオリアプローチ、ナラティブ分析、テーマ分析、内容分析等であった。 33件の研究の主旨は、早期からの緩和ケアニーズの探索、最適なコミュニケーションの探索、患者の経験理解に大別された。このうち、患者の経験理解に大別された研究テーマは、症状経験、尊厳の感覚、死・病気・治療の認識、生命維持療法への志向、緊急入院の経験、患者が認識する課題、があった。 これらの研究は、患者中心の包括的ケア、ケアの連続性、ケアのタイミングへの示唆のほか、途上国における医療ケアの分配に関して提言されていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Covid-19 による研究者の教育業務、雑務増大により、研究の着手時間確保が困難であったことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度より文献調査の研究協力者を1名加え、推進しているところである。今後は、文献調査の結果を統合してインタビューガイドを作成し、残りの研究期間でデータ収集、分析を行う。
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Causes of Carryover |
Covid-19 の収束がみられず、研究補助者の入校が制限された状況が続き、雇用の見通しが得られなかった。加えて、研究代表者の教育業務、雑務多忙により研究に着手できなかったこと、着手している文献調査は、研究のための費用が多く発生していないことにより、次年度使用額が生じている。 今年度の文献調査には、引き続き研究協力者を1名加え、研究にかかる経費(消耗品等)を支出する。さらにインタビュー調査にかかる経費(謝金、逐語録作成等)を支出する。
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Research Products
(1 results)