2022 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病患者の歯周病管理のための外来での看護活動の検討
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19K10946
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
柴山 大賀 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (80420082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 理恵 筑波大学, 医学医療系, 助教 (70908102)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 歯周病 / 医療連携 / 看護師教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に作成した、糖尿病を専門とする看護師による医科外来での口腔の健康アセスメントを可能にするための看護師向けの教育プログラムを、実際の看護師に試行した。 教育プログラムは、糖尿病看護を専門とする看護師が会員の多くを占める学術団体の年次学術集会において、交流集会の形式で実施した。交流集会には10名の看護師の参加があった。そのうち日本糖尿病療養指導士の資格を持つ者が8名、糖尿病看護認定看護師の資格を持つ者が3名、地域糖尿病療養指導士の資格を持つ者が2名であった(重複あり)。研修後のアンケートでは、内容や実施環境に対する満足度は高く、内容が「実践に活かせるものであったか」という問いに対して、「そう思う」8名、「少しそう思う」1名、無回答1名という結果を得た。 教育プログラムの実施から約半年後に、臨床現場での教育プログラムの実践状況について追跡調査を行い、参加者10名のうち3名の協力を得た。調査対象者には個別に半構造化面接を1回行った。面接時間は20分から60分程度であった。インタビュー内容の逐語録を現在分析中であるが、インタビューでは、対象者全員が教育プログラムの内容を実践で活かすことの意識が高まり、実際に何かしらの行動を起こしていた一方で、患者の口腔内を観察するためにはかなりの信頼関係が必要であることや、周囲のスタッフの理解や協力の乏しさなど、実践時のむずかしさを感じていることが語られた。このことから、本教育プログラムは、対象者を動機付けることに一定の効果を有しているが、現在のプログラム内容だけでは、看護師の実践状況を改善し、それを患者アウトカムの改善につなげるには限界があることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍で看護師への介入や追跡調査が難しい状況であったにもかかわらず、教育プログラムを試行し追跡調査まで行い、その結果からは一定の成果が得られたと考える。 しかし、教育プログラムへの参加者が想定よりも少なく、プログラムの効果や改善点を評価するにはデータの蓄積がさらに必要である。したがって今回の結果を、この後に計画していた介入研究につなげるには、介入の完成度がまだ十分ではなく、時期尚早と考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に得られた教育プログラムの課題をふまえて、プログラム内容をより充実させたのち、再度、看護師に試行して、プログラムの評価を行う事が当面の課題である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、調査費用や成果公表旅費が当初の予定よりも少なく済んだために残額が生じた。その分は今後の成果発表の費用として、英語論文や国際学会での発表に充当するほか、これから着手する教育プログラムの検討にかかる費用に充当する予定である。
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