2019 Fiscal Year Research-status Report
化学療法を受ける患者の脱毛頭皮の痒みに関するリスク要因探索とスカルプケアの確立
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19K10947
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
玉井 奈緒 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任准教授 (80636788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
峰松 健夫 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任准教授 (00398752)
真田 弘美 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (50143920)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 化学療法 / 脱毛 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的:化学療法中に生じる頭皮の痒みに影響を及ぼす要因の検討 今年度の研究成果:痒みのリスクファクターとなる可能性のある因子についての頭皮生理機能の測定および質問票を用いた調査を実施するにあたり、予備的に既存の調査データ(2014年~2017年に実施した脱毛調査)から二次解析を実施した。対象患者における頭皮の痒みは、化学療法投与を開始した3週後から始まり、18%の患者が投与終了3か月後まで継続していたことが明らかとなった。その中でも痒みが強く、発疹を併発し、皮膚科受診が必要となった3名の症例について、さらに詳細にデータの振り返りを実施した。その結果、対象者の頭皮では、ウィッグ接触部分の発赤や湿疹を認めるとともに、治療とともに表皮の厚みが減少していくことが明らかとなった(治療開始時との比較:共焦点レーザー顕微鏡を用いた表皮の厚み測定)。この結果を参考に、予定していた調査項目を追加で精選し、痒みの強さや種類、菲薄化した頭皮への刺激となる要因(身体的・環境的要因)を検討した調査用紙を作成するとともに、調査施設の調整を実施した。頭皮の痒みに影響を及ぼす要因に関して、網羅的ではなく、焦点を絞り込めた。以上より、患者の調査負担の軽減とより焦点を絞った測定項目の選択に繋げられたと考える。また、菲薄化した頭皮への刺激緩和のケアへの視点を新たに得られたことに意義があると考える。また、今後の調査で必要となる頭皮へのケアについてシステマティックレビューを実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予備的に既存のデータ(2014年~2017年の調査)から二次解析を実施し、調査用紙の見直しと調査施設の調整を行った。倫理委員会の承認はおりているが、調査施設の調整に難航したため、進捗がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の影響も考慮し、調査施設の拡大あるいは質的手法による詳細な症例での調査・分析についても検討する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:海外での発表を予定していたが、国内発表のみにとどまったため。 使用計画:臨床調査に必要な調査用物品(頭皮評価のための機器)やケア用品、論文投稿(英文校正・投稿費用)への使用を予定している。
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Research Products
(1 results)