2020 Fiscal Year Research-status Report
AYA世代乳がん患者の女性性サバイバーシップコホート研究と支援モデルの開発
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19K10960
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
渡邊 知映 昭和大学, 保健医療学部, 教授 (20425432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 千佳子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 乳腺腫瘍内科 医長 (10399462)
坂東 裕子 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (00400680)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 若年乳がん / コホート研究 / がん・生殖医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
国内における若年乳がん患者の妊孕性保持対策の現状とその影響を把握するために、40歳未満で診断を受けたStage0-ⅢC期の初発乳癌女性患者を対象として前向きコホート研究を計画し、開始した。 今年度は、登録データを用いてアンケートが回収された58名を分析対象若年乳がん患者の妊娠・出産に関するニーズと意思決定への満足度について検討した。主な調査項目には、挙児希望の有無・妊孕性に関する情報提供の満足度・精神健康度(HADS)・意思決定満足度(DCS)・がんと妊孕性に関する意識(RCSC)・母性理念尺度を用いた。 初期治療開始時に挙児希望を有する21名中14名(66.7%)が、挙児希望を「今はわからない」と回答した12名中1名が妊孕性温存治療へのコンサルテーションを希望した。妊孕性に関する情報提供について7割が十分だったと回答しており、満足した群のほうが意思決定への満足度も高い傾向が認められた(p=0.029)。 がん治療がもたらす妊孕性への影響については、約半数が「妊娠できる可能性について心配」に「非常にそう思う・そう思う」と回答していた。また「パートナーへの妊孕性に関して開示することに不安」は22.6%であった。がんと妊孕性に関する意識(RCSC)と精神健康度(HADS)の総得点には正の相関が認められた(r=0.39 p=0.03)このような妊孕性への不安が強い若年患者のほうが、妊孕性温存治療のコンサルテーションを受ける傾向があることが統計的に明らかになった(p=0.025)。 初期治療前に挙児希望を有する若年乳癌患者の6割が妊孕性温存治療へのコンサルテーションを希望した。妊孕性に関する情報提供と意思決定の満足度には関連が認められた。治療後の妊孕性に対する不安を感じている患者が多く、精神健康度との関連が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症感染拡大に伴い、患者リクルートがやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
登録症例について、フォローアップ情報の確認を積極的に働きかけていく。
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Causes of Carryover |
今年度は海外学会がオンラインに変更になったことや、研究班会議がオンラインで行われたことにより、旅費や会議費等の使途が変更になったため。 来年度は、看護師向けの教育プログラムの作成に使用することを計画している。
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