2023 Fiscal Year Annual Research Report
AYA世代乳がん患者の女性性サバイバーシップコホート研究と支援モデルの開発
Project/Area Number |
19K10960
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
渡邊 知映 昭和大学, 保健医療学部, 教授 (20425432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 千佳子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 乳腺・腫瘍内科 診療科長 (10399462)
坂東 裕子 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (00400680)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 若年乳がん / がん・生殖医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
215人の参加者のうち、診断時と6か月時の両方のアンケートに回答した143人を解析対象とした。挙児希望あり57人(39.9%),わからない37人(25.9%),関心がない 43人(33.6%)。143人のうち、33人(23%)が妊孕性温存を試みた。診断時のReproductive Concerns After Cancer scale(RCAC)の得点は、HADSの総得点(r=.397、p<.001)およびDecision Conflict Scale(DCS)の得点(r=.365、p<.001)とそれぞれ弱い相関があった。「再発のリスクについての十分な説明」と「薬物療法の必要性と有益性の十分な説明」は、診断時のDCSスコアの低下と有意に関連していた(p<0.001)。6か月後の時点で15人(10.5%)の女性で挙児希望が変化した。DCSとHADSは6ヵ月後に有意に低下したが、診断時と6か月後のRCACスコアに差はなかった。6ヵ月後のRCACスコアは、ベースライン時のRCAC(r=.793、p<.001)、DCS(r=.439、p<.001)、HADS(r=.401、p<.001)スコアと相関があった。6か月後のRCACスコアは、若年(r=.311)、パートナーがいない(p=.001)、子どもがいない(p=.014)診断時の挙児希望(p<.001)、妊孕性温存の試み(p=.025)、内分泌治療を受けていないこと(p=.047)とも関連していた。 若い女性の生殖に関する不安は治療期間中継続し、治療開始6か月後の不安は意思決定の葛藤や診断時の不安と関連していた。これらの結果は、若い女性、特に生殖に関する不安を持つリスクの高い女性は、診断時に腫瘍医から再発のリスクや全身治療の有益性について十分な説明を受けるなど、心理的支援や意思決定支援が必要であることを示していた。
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