2020 Fiscal Year Research-status Report
Study about influence on skin and mouth mucous menbran and quality of life of the patient who receives cancer chemotherapy
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19K10969
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Research Institution | Fukuoka Nursing College |
Principal Investigator |
村田 節子 福岡看護大学, 看護学部, 教授 (00239526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮園 真美 福岡看護大学, 看護学部, 教授 (10432907) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | がん化学療法 / 皮膚生理機能 / 皮膚バリア機能 / がん看護 / セルフケア / セルフマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
がん化学療法では治療の奏効率と共に有害事象への対策が必須である。化学療法は年単位で実施されることが多く、治療を効果的に実施するためにも長い闘病機関の中で、有害事象をいかにコントロールして中断なく治療を進めることができるかが重要である。 近年は医療全体で様々な状況から入院期間が短縮されている。化学療法もかつては入院して病棟で実施されることが多かったが、薬剤の開発や治療法の変化により外来や在宅へ移行している。そのため日常生活の中で患者自身が様々な症状マネジメントを行う必要性に迫られている。従って、患者のQOLを維持・向上するためにも、看護師は治療法の決定後は速やかに効果的な指導を行い、患者のセルフケアやセルフマネジメントの能力を高める必要がある。 ところで、皮膚や口腔粘膜への有害事象は直接生命予後に関わることが少ないためあまり注目されてこなかった。しかし、皮膚や粘膜は身体を守る命の袋である。しかも皮膚は人体最大の臓器でもある。また身体の機能的な影響のみならず、皮膚は人目に晒され個人のボディーイメージや尊厳に深くかかわっている。 これまで我々は、婦人科がんで化学療法を受けた患者の皮膚の生理機能を測定し、化学療法による皮膚バリア機能の低下について観察した。 今回の目的は、過去に行なったがん化学療法による皮膚生理機能の変化に関する結果を受けて、生理機能の測定項目を追加することにより皮膚バリア機能の変化をさらに明らかにすることである。加えて今回は、口腔粘膜のダメージについても検証する。これらの結果により、有害事象を低減するにはどのようなケアが効果的かについて検討する。それによって患者自身が毎日の生活でどのようなセルフケアをどのようにマネジメントしていけばよいか、またそのために看護師はどのように指導を行えばよいか等患者のQOL維持のために必要なセルフケアの内容と遂行のための方略を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度は必要な機材をそろえることができたが、COVID-19の影響により、研究の進捗が著しく遅れた。本研究が抗がん剤の化学療法を受けている対象者などの皮膚や口腔から直接測定や検体をとるために感染予防の観点から実施できなかった。また、健常者への測定も同じ理由から実施できなかった。また、機器を扱って測定に協力していただける研究協力者とのやり取りもメールやZOOMのみとなった。そのため、実施あの機器を用いての予行などが行えず、研究の実施に関する具体的な打ち合わせができなかった。そのため、文献を用いての検討や研究などに終わった。
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Strategy for Future Research Activity |
この研究では、がん化学療法を受けている対象者や対照群となる被験者から皮膚の生理機能のみならず口腔粘膜の状態を観察する予定である。通常では測定に30分から60分程度の時間がかかる予定である。しかし、今回の世界的なCOVID-19の流行さらには変異株の出現により、被験者、研究者を含めた感染防護体制について十分に検討する必要が出てきた。 測定は、気流の影響を避けるため閉鎖された状態で行う必要があり、測定空間の除菌体制も必要である。被験者の感染予防体制を十分に検討する必要があり、そのような環境を提供できる状態でないと実施が難しい。また今回は皮膚の測定に加え、口腔粘膜状態を唾液中のヘモグロビンと細菌カウンターによる口腔内細菌を計測する予定であるため、測定を実施する場合は、測定者が感染予防具(個人防護具:PPE)を装着して測定を行う必要がある。被験者の測定時には感染予防行動を含めてさらに時間がかかることが予測される。いずれにしてもCOVID-19の感染流行の状況により、研究の状況が左右される状態である。
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Causes of Carryover |
来年度は、COVID-19の感染状況によって測定が可能な状況であれば計画を実施する。 その場合、感染予防対策として、パーテーションや新たに個人用保護具(PPE)が必要となると考えられる。また場合いよっては空間除菌ができる装置、また使用器具の廃棄手順の見直しとそれに伴う物品がが必要となることが感がられる。全体として当初の計画よりも物品費がかさむため、研究資金の使用内容に関する見直しも必要となる。 また、測定の協力を得るためにも、説明文の新たな印刷などの経費が必要となるため、次年度請求額と合わせて活用する予定である。
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Research Products
(1 results)