2021 Fiscal Year Research-status Report
プレコンセプションケアに基づく就労女性の栄養状態改善プログラムの開発
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19K10983
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
渡邊 香織 大阪府立大学, 看護学研究科, 教授 (30281273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 晶子 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 准教授 (00582602)
竹中 重雄 大阪府立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 教授 (10280067)
川村 千恵子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (20281272)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | プレコンセプションケア / 食事歴 / ビタミンB6 / ビタミンB12 / 葉酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】今年度は、生殖年齢にある女性のプレコンセプションケアの認識と食習慣、およびビタミンB6・B12、葉酸の血中濃度との関連性について検討することを目的とした。 【対象と方法】対象者は年齢20~45歳以下の女性53名。測定項目;①基本属性、妊娠希望の有無、②プレコンセプションケアの実施状況(以下PCC)、③栄養状態:BDHQ(簡易型自記式食事歴法質問票)、④ビタミンB6、B12、葉酸の各血液中濃度 【結果と考察】平均年齢は25.1(±5.4)歳、BMIは20.4(±2.5)、やせ10名(18.8%)、標準40名(75.5%)、肥満3名(5.7%)、未婚50名(94.3%)、出産経験は全例無し、妊娠の希望有り3名(5.7%)であった。ビタミンB6の平均値は、116.1(±106.1)nM、ビタミンB12:141.1(±55.9)pg/ml、葉酸:49.5(±20.3)ng/ml、血清中ホモシステイン8.7(±4.1)μMであった。BDHQにより得られたビタミンB6・B12、葉酸の摂取量と血清中の各ビタミン濃度は相関が見られなかった。ビタミンB6・B12、葉酸と血清中ホモシステイン濃度に相関性は見られなかった。 【考察】血清中ビタミン濃度の生体指標とBDHQとの一致は見られなかったが、BDHQは1ヶ月間の食事内容を反映するのに対し、ビタミンB6・B12、葉酸は肝臓などの体内に貯蔵され、摂取量が血中濃度へ反映されにくいこと、直近の食事内容が反映されることなどが影響していると考えられた。限界点として、全体のサンプルサイズが小さいこと、健康的な対象者が多く肥満群の人数が少ないことが影響したと考えられる。次年度以降の評価に際しては、質問紙調査とともに生体指標を用いることの重要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19感染症拡大により、予定していた企業などの協力が得られなかったこと、対象者との直接的な関わりが持てないことから、直接接触してデータを収集する採血などの実施に多大な支障が現れた。対象者が小規模となり、期待していた結果が得られなかった。プログラム構築に向けて、データの追加検討が必要な状況でる。
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Strategy for Future Research Activity |
生体指標を用いることが重要であるが、接触が困難であることが今後も考えられるため、血液ではなく尿などの生体指標を活用することも検討する。また、栄養改善プログラム構築に向けて、web調査を活用して食生活リテラシーの検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19感染症拡大により、予定していた研究対象者の確保が困難となり、ビタミン類の測定に必要な試薬の費用やデータ収集に必要な費用も少なかったこと、学会がオンライン開催で有り、旅費などが不要であった。今後は、学会は現地開催の方向であり旅費などが必要となる。また、生体指標では尿によるビタミンの評価を取り入れるため、それらにかかる費用が必要となる。
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