2020 Fiscal Year Research-status Report
The relationship between sleep debt, social jetlag, and reproductive health
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19K10994
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
駒田 陽子 明治薬科大学, 薬学部, 准教授 (40451380)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 月経 / リプロダクティブヘルス / 睡眠 / 生体リズム / 概日リズム / 概月リズム / 社会的ジェットラグ / 満月 |
Outline of Annual Research Achievements |
19世紀初頭から報告されてきた研究を紐解くと、月の位相とヒトの生物リズムないしは行動リズムとの間の関連性について否定的な立場が多かった。近年ヒトの月経周期が月の位相に影響を受けるという論文が発表され、本研究課題においても追試する必要があると考えた。そこで本年度は、生殖年齢の女性における月経周期と天体の月の位相(満月・新月)との関係性を検討することとした。 倫理委員会の承認を受けた上で、同意の得られた529名の女性(25~39歳)を対象として、女性の健康情報サービスであるスマートフォンアプリ「ルナルナ」に登録されたデータから、直近6回の月経開始日を取得した。さらに、ピッツバーグ睡眠質問票への回答を求めた。 月経開始日と月の位相との関係を解析した結果、全体としては、月経開始と月の位相に関連性は認められなかった。しかしながら興味深いことに、明期に月経が始まった群では、暗期に月経が開始した群に比べてgood sleeperの割合が有意に高く(z = 2.31, p = 0.02)、暗期に月経が開始した者ではpoor sleeperの割合が有意に高かった(z = 2.66, p = 0.01)。 直近2回の月経開始日における月相の組み合わせ(明期、暗期、中立期)で分類すると、「両方とも明期」群で最もgood sleeperの割合が高く、次いで「明期・中立期」群、「両方とも中立期」群となり、「両方とも暗期」群と「その他(明期・暗期)」群は最もgood sleeperの割合が低かった(χ2 = 12.36, p = 0.03)。 本結果から、暗期での月経開始は、その後の主観的な睡眠の質の低下と関連することが示唆された。暗期に連続して月経が開始した場合や、月の位相が明期・暗期と変化した場合にはより顕著であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
近年報告された知見を検証すべく、あらたに研究計画を追加策定・実施した。得られた知見を学術誌で公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
疫学データだけでなく、臨床データを用いて検討する。既に倫理委員会の承認を得て、準備の段階に入っている。臨床データを収集し、プロトコルに従い解析する予定である。
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Causes of Carryover |
研究計画を変更し、実験的検討を中止したため機材消耗品費用や被験者謝礼が発生しなかったため。国際学会が中止、国内学会がオンライン開催となったため旅費が発生しなかった。
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Research Products
(12 results)