2021 Fiscal Year Research-status Report
The relationship between sleep debt, social jetlag, and reproductive health
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19K10994
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
駒田 陽子 明治薬科大学, 薬学部, 准教授 (40451380)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 月経 / リプロダクティブヘルス / 睡眠 / 生体リズム / 概日リズム / 概月リズム / 社会的ジェットラグ / 満月 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題においては昨年度までに、女子大学生を対象とした横断調査ならびにスマートフォンアプリ「ルナルナ」ユーザーを対象としたウェブ調査を実施した。女子大学生を対象とした横断調査から、社会的ジェットラグが月経随伴症状の重症化と関連することを明らかにし、その結果を学術誌に公表した(Komada et al., Chronobiology International, 2019)。スマートフォンアプリユーザーを対象としたウェブ調査からは、月経開始時の月の位相(満月・新月)がその後の主観的な睡眠感と関連することを示した。具体的には、暗期(新月)での月経開始は、その後の主観的な睡眠の質の低下と関連すること、特に暗期に連続して月経が開始した場合や、月の位相が明期・暗期と変化した場合には睡眠の質低下がより顕著であった(Komada et al., International Journal of Environmental Research and Public Health, 2021)。近年、天体の月の位相と女性の生体リズムの間に関連性を見出す成果がいくつか報告されており、分娩・出産の時刻と月の位相について新たな知見が見い出されている。また、社会的ジェットラグが心身の健康とくにリプロダクティブヘルスに影響することも指摘されている。そこで、2021年度は妊産婦を対象とした調査を計画し、産婦人科外来で実施した。倫理委員会の承認を受けた上で、病院に通院中または産後入院中の患者を対象として、睡眠習慣や睡眠の問題について尋ねるピッツバーグ質問票と睡眠時無呼吸症をチェックするベルリン質問票への回答を依頼した。約1,000人の妊産婦から回答を得られた。今後データ入力、解析をすすめる計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
近年報告された知見を検証すべく、あらたに研究計画を追加策定・実施した。得られた知見を学術誌で公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
妊娠中には、よく眠れなくなったり、昼間に眠くなることが経験的に知られている。しかしながら、妊娠何週頃にどのような睡眠の問題が生じるか、またそうした睡眠の問題が心身の健康や分娩に影響するのかは明らかになっていない。諸外国の研究では、妊娠女性の睡眠の質の低下は、早産や帝王切開の増加をきたし、また産前産後のうつ病の危険因子になると報告されている。さらに睡眠時無呼吸の合併は、妊娠・出産両期間において妊娠継続及び分娩リスクにつながるが、本邦ではほとんどその現況は調査されていない。 そこで、分娩数が日本で最も多い産婦人科病院において、通院中の患者様に対してピッツバーグ質問票、ベルリン質問票日本語版を用いた調査を実施し、分娩後も含めた妊娠期女性の睡眠習慣,睡眠健康や睡眠障害(睡眠時無呼吸)の可能性についての実態を把握する。
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Causes of Carryover |
研究計画を変更し、実験的検討を中止したため機材消耗品費用や被験者謝礼が発生しなかったため。また、国際学会への参加を取りやめたため。次年度は実験を実施し、機材消耗品費用や被験者謝礼として使用する予定である。
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Research Products
(20 results)