2021 Fiscal Year Research-status Report
不妊治療の終結をめぐる夫婦の意思決定支援に有用な看護アセスメントガイドの開発
Project/Area Number |
19K11008
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Research Institution | Meio University |
Principal Investigator |
阿部 正子 名桜大学, 健康科学部, 教授 (10360017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 久枝 園田学園女子大学, 人間健康学部, 教授 (70249457)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 生殖補助医療 / アセスメントガイド / 夫婦 / 治療終結期 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、不妊治療の終結をめぐる夫婦の意思決定支援に有用な看護アセスメントガイドの開発を目的としている。2020年より情報収集を継続して行っており、成果の公表に向けて論文を執筆中である。さらに2021年度はオンラインの学術集会や研修会に参加して本研究に関連した知見を収集するとともに、過去の研究データや先行研究を参考にアセスメントガイドの試案作成に着手している。 アセスメントガイドの主な項目は【医師による治療方針への追従の牽引】【夫婦間のコミュニケーションの不全化】【治療の代償行動化】【困難感の明確化】【新たな人生設計】であり、これらはクライエントが治療に関する考えや感情を整理し、治療を終える決断をするために行われるカウンセリングや面接の際に、対象の訴えを分析したり、意図的な情報収集のために用いられる。例えば【医師による治療方針への追従の牽引】が最も強い要因であると考えられた事例には、医療環境の中で医師と治療方針に関する交渉のために、今までの治療経過を客観的に捉え、本人自身で今後の治療をどうしたいか、自分自身でコントロールできるという認知が高くなるよう、今までの治療の取り組みを高く評価することが支援の方向性として考えられる。一方、【困難感の明確化】や【新たな人生設計】が困難な事例では、妊孕性の低下など喪失に対する葛藤や潜在的な怒りの存在、子どものいない人生について不安や恐怖に苛まれている可能性があり、心理専門家による治療的カウンセリングも考慮する必要がある。以上より、本研究で考案したアセスメントガイドはpatient-centered-careを実現する看護師のコーディネーター役割の確立にも寄与しうると考える。 今年度はアセスメントガイドの試案を専門家に確認を依頼し、説明力や現状の改善への示唆が提示可能かどうか、意見を収集していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症蔓延の影響が大きく、授業や実習方法変更に対応するため教育活動に多大な時間を要したことが最も大きな理由である。その他、保健師助産師看護師学校養成指定規則の改正に伴う新カリキュラムの申請や、博士後期課程開講に向けた準備などの業務が増加したことによる研究時間の確保が困難となった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は遅れを取り戻すべく、5月に計画書を検討し倫理委員会に申請、7月にアセスメントガイドの構築に着手できるように、研究分担者と連携し計画的に遂行する。調査を進めるための研究補助者の雇用および最新の知見を得るための文献獲得、成果発表の準備(英文翻訳を含む)を遂行する。
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Causes of Carryover |
令和3年度は不妊症認定看護師に対するインタビューとアンケート調査の実施を計画していた。しかし、COVID-19により協力施設を得ることに時間を要したこと、さらに教育活動にかかる業務が膨大に増え、研究にかかる時間が確保できなかったことにより、調査準備が遅延した。そのため、インタビューに必要なインタビュアーの交通費、研究協力者への謝礼品、テープ起こし代、会議費、インタビューの着手に必要な会議費等が使用できず、繰り越された予算がある。さらに、参加を予定していた関連学会の学術集会がCOVID-19感染拡大のためオンライン開催になり旅費が執行できなかった。 令和4年度は遅れを取り戻すべく、5月に計画書を検討し倫理委員会に申請、7月にアセスメントガイドの構築に着手できるように、研究分担者と連携し計画的に遂行する。調査を進めるための研究補助者の雇用および最新の知見を得るための文献獲得、成果発表の準備(英文翻訳を含む)を遂行する。
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