2019 Fiscal Year Research-status Report
神経管閉鎖不全の発生リスク低減のための葉酸サプリメント摂取に関する女性の認識
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19K11009
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Research Institution | Ishikawa Prefectural Nursing University |
Principal Investigator |
曽山 小織 (高野小織) 石川県立看護大学, 看護学部, 講師 (10405061)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 神経管閉鎖不全 / 葉酸 / サプリメント / 保健行動 / プレコンセプションケア |
Outline of Annual Research Achievements |
神経管閉鎖不全は妊娠前から女性がバランス良く食事摂取するとともに、サプリメント等で付加的に葉酸を摂取することで発症リスクを低減できると言われている。葉酸サプリメント未摂取の女性は初産婦より経産婦の方が多く、その理由は十分にわかっていない。2019年度の研究目的は葉酸サプリメント摂取に対する初産婦と経産婦の認識の差異や未摂取への影響要因を明らかにすることである。保健行動モデルを参考に作成した葉酸サプリメント摂取に対する動機付け、問題意識、行動目標の設定、及び情報や個々の素因(遺伝的素因、性格、及びライフスタイル)に関する自作の質問紙によって、初産婦と経産婦の認識の差異はどこにあるか、及び葉酸サプリメントを摂取しないことにどれが影響するか分析を行う。分析方法は、初産婦と経産婦の認識の差異はU検定またはカイ二乗検定、未摂取の影響要因はロジスティック回帰分析を行う。 調査期間は2019年6月から2020年2月までであり、調査地域は子どもの健康と環境に関する全国調査の未実施地域で実施した。対象は出産後1年半を経過した女性であり、子の健診の来所時に自己記入式質問紙を手渡し配布して、郵送法で回収した。配布数は902名、回収数は314名(回収率34.8%)、有効回答数は304名(33.7%)であった。初産婦は153名、経産婦は151名であり、妊娠前から葉酸サプリメントを摂取していた初産婦は53名(34.6%)、経産婦は30名(19.9%)であった。その他は現在分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度の研究はおおむね予定通り進行している。しかし、新型コロナによって調査票の配布期間が短縮することになった。調査先の受け入れ状況から期間延長は困難であること、目標数におおむね到達していることから、配布を終了して現在分析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、葉酸サプリメントに対する医療者の認識や妊娠前に行う保健相談上の課題について調査予定である。2019年度の出産後1年半を経過した女性を対象にした調査では、妊娠前に葉酸サプリメントについて相談の機会があれば希望するかという設問に対して、304名のうち139名(45.7%)が相談を希望していた。誰から説明を受けたいかという設問では、医師、看護職、薬剤師の順に希望しており、どのような内容に興味があるかという設問では、葉酸サプリメント飲む必要性と回答した人が303名のうち245名(80.9%)であった。2020年度は医療者の葉酸サプリメントに対する認識を調査するとともに、2019年度の結果から保健相談を実現する上での課題を調査予定である。
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Causes of Carryover |
2019年度の調査を計画した段階では、データ入力のための人件費を計上していたが、調査票の返送状況から研究実施者で入力が可能であった。よって、当該助成金が生じた。 2020年度の調査は新型コロナに対応してWeb調査へ変更を検討しており、翌年度分の助成金と合わせて調査を実施しようと考えている。
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