2023 Fiscal Year Annual Research Report
神経管閉鎖不全の発生リスク低減のための葉酸サプリメント摂取に関する女性の認識
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19K11009
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Research Institution | Ishikawa Prefectural Nursing University |
Principal Investigator |
曽山 小織 石川県立看護大学, 看護学部, 講師 (10405061)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 神経管閉鎖不全 / 葉酸 / サプリメント / 行動変容 / 家族計画 / プレコンセプション・ケア / リプロダクティブ・ライツ |
Outline of Annual Research Achievements |
神経管閉鎖不全の発生リスクを低減するため葉酸サプリメント(以下、葉酸サプリ)を妊娠前から摂取することが推奨されているが、経産婦の摂取率が低い。研究1では、出産後1年6か月の女性286名を対象にして、直近の妊娠における葉酸サプリ摂取開始時期を調査した。その結果、妊娠前から摂取した人は81名(28%)、妊娠判明後に摂取した人は150(52%)、未摂取の人は55名(19%)であった。次子妊娠を予定する女性163名について、妊娠前の摂取予定に関連する要因を調査した。その結果、妊娠前の摂取予定に関連する要因は①直近の妊娠で葉酸サプリを妊娠前から摂取したこと、②摂取の必要性を理解していること、③情報入手源が友人や知人、または母子健康手帳、④摂取開始時期の知識があることであった。直近の妊娠で葉酸サプリを妊娠判明後に摂取した人、及び未摂取の人が、次回の妊娠で妊娠前から摂取できるようにするために、産後の保健指導が必要である。研究2では、産後3年以内の男女各300人を対象に、葉酸サプリと妊娠間隔の保健指導の受講割合を調査した。その結果、葉酸サプリに関する保健指導の受講割合は男性48名(16%)、女性55名(18%)であった。妊娠間隔の保健指導の受講割合は男性54名(18%)、女性175(59%)であった。葉酸に関する保健指導で女性が希望する内容は、葉酸サプリをいつまで摂るのか92名(31%)、葉酸をサプリメントで摂る理由73名(24%)、妊娠前から葉酸サプリを摂る理由58名(19%)の順に多かった。しかし、保健指導は必要ないと思う人が150名(51%)で最も多かった。医療専門家による保健指導の実施率が低いため、保健指導は必要ないと思う女性に葉酸サプリを摂取する必要性が十分に伝わっていない可能性がある。医療専門家は葉酸サプリ摂取に関する産後の保健指導の実施率を上げる必要がある。
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