2021 Fiscal Year Research-status Report
予防的スキンケアのための画像解析による新生児の皮膚評価ツールの開発
Project/Area Number |
19K11013
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Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
樋口 幸 (石川幸) 大分県立看護科学大学, 看護学部, 准教授 (10567209)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 新生児 / 予防的スキンケア / 画像診断 / 皮膚評価ツール / 皮膚バリア機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
新生児の皮膚は、外界の様々な刺激から体を保護する役割を果たしているが、非常にデリケートで外部環境の影響を受けてバリア機能が低下しやすいという特徴がある。近年、新生児期に皮膚バリア機能を良好に保つことが、経皮感作やアレルギー予防に有用であるとされ、個々の皮膚状態に適したスキンケアの重要性が示唆されている。しかし、スキンケアを担う母親の約8割がわが子の皮膚トラブルやバリア機能の低下を正しく認識できていない。また、不適切なスキンケアの実施はかえって皮膚バリア機能を低下させるため、誰でも正確に皮膚状態が把握できるツールが必要である。 本研究の目的は、新生児の皮膚画像データと皮膚バリア機能と角層バイオマーカーならびにスキンブロッティング法を用いた皮膚内部の炎症反応との関連を明らかにすることである。これにより、新生児の皮膚画像と皮膚バリア機能、皮膚組織内の炎症反応との関連を科学的に検証することで、画像を用いた新たな新生児の皮膚評価ツールの開発を目指す。 当該年度、対象新生児200名のリクルートとデータの収集、ならびに皮膚画像の診断を実施した。今後は皮膚バリア機能等を加えて解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019から2020年度は、COVID-19の感染拡大に伴う緊急事態宣言発令の影響により、研究活動の中断が余儀なくされた。 2021年度は、COVID-19の感染者発生状況の推移と大分県内の緊急事態宣言の解除を受けて、調査施設と研究者とで検討を重ね、感染予防対策を徹底することを条件に研究活動を再開した。再開後は順調に調査が行われ、当初の計画より遅れたものの、予定した対象数のリクルートならびに調査が終了した。今後は学内での分析作業になるため概ね順調に進展すると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究協力者と協力して調査で収集した測定データ、ならびに画像解析を行い、論文化する。また、新生児の皮膚画像と皮膚バリア機能、皮膚組織内の炎症反応との関連を科学的に検証することで、画像を用いた新たな新生児の皮膚評価ツールの開発を目指す。
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Causes of Carryover |
COVID-19感染拡大に伴い、2019~2020年度は研究活動が一時中断せざるを得ない状況であった。2021年度には、リクルートを再開することができたが、COVID-19感染予防対策のため、調査施設内に立ち入り可能な研究者が1名に限定された。このことにより、2021年度はリクルートと検体の採取を実施し、2022年度に分析と論文作成を実施するように予定を変更した。 そのため、2021年度に使用する予定の分析試薬等の費用は、2022年度使用予定である。
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