2022 Fiscal Year Research-status Report
産後腱鞘炎予防のための看護介入プログラムの開発と評価
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19K11016
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
望月 良美 東京工科大学, 医療保健学部, 講師 (60320694)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 腱鞘炎 / 産褥期 |
Outline of Annual Research Achievements |
児の生後 1 か月健診に来院した母親を対象に、43項目から成るweb アンケート調査を実施した。調査の実施に際し、研究者の所属機関および研究協力施設の倫理委員会の承認を得た。 協力依頼文を200枚配布し、27名より回答が得られた(回収率13.5%)。回答者は初産婦15名、経産婦12名であり、平均年齢は34.44歳であった。 今回の妊娠中に手指手首の痛みがあった者は4名(初産婦3名、経産婦1名)であり、全員が妊娠8~10か月頃から痛みが生じ、現在も痛みが継続していた。今回の出産後に痛みがあった者は9名(初産婦7名、経産婦2名)であり、全員退院後に生じていた。その後 1か月健診までに痛みが消失した者は5名、現在も継続している者は4名であり、痛みが継続している者は全員初産婦であった。出産後に痛みのあった9名の状況は、母乳栄養が3名、混合栄養が6名であった。産後1か月間、母親自身が担っていた育児負担の割合は全員が7割以上と回答し、家事負担の割合を7割以上と回答したのは3名であった。痛みへの対処として、医師に相談した者は1名、看護職に相談した者は0名であった。児の出生から1か月健診までの平均体重増加量は1154.41gであり、出産後の母親の手指・手首の痛みの有無による有意差は認められなかった。 妊娠中から痛みを生じた4名とも産後1か月時点まで痛みが継続していた。妊娠中から続く手指手首の痛みは、使いすぎによる痛みとは違い、特化した対処法を検討する必要がある。出産後に痛みを生じた者では、いずれも退院後に症状を自覚していた。特に初産婦で症状が継続する傾向がうかがえ、退院後は医療職への相談もしにくいため、発症予防にはより早期の介入が必要である。痛みの発症に関連する家事・育児の状況については、検討を重ね、本調査結果を2023年の日本母性看護学会において報告すべく準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の影響により調査方法を変更したが、協力医療機関の獲得に時間を要した。2022年3月に協力機関が得られ、4月より調査を開始し、2022年12月末日に調査を終了した。2023年1月よりデータ分析を行い、概要をまとめ、第25回日本母性看護学会学術集会へ演題申込し、2023年3月に採択された。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年5月に第25回日本母性看護学会学術集会にて発表予定である。 今後は、調査結果をもとに産後腱鞘炎の予防策を検討し、専門家からの意見を得て、最終的に看護介入プログラムを作成する。
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Causes of Carryover |
最終年度として研究をまとめるための事務用品を購入する。
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