2021 Fiscal Year Research-status Report
妊娠糖尿病と診断された女性の産後糖尿病発症予防に向けてのプログラム構築
Project/Area Number |
19K11022
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
川嵜 有紀 関西医科大学, 看護学部, 助教 (30572044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 ひろ子 関西医科大学, 看護学部, 教授 (90434927)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 妊娠糖尿病 / 産後糖代謝 / 糖尿病発症予防 / 運動療法 / 行動変容 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠中に初めて糖代謝異常と診断される妊娠糖尿病(gestational diabetes mellitus:以下,GDMとする)を管理することは、胎児・新生児合併症と、将来の高率な2型糖尿病発症という女性の生涯にわたる健康リスクの2点を予防することに意義がある。GDMと診断された女性(以下、GDM既往女性とする)は、将来的に2型DMを発症するリスクが高く、出産15年後では、GDM既往女性の累積DM発症率は約40%であり、2型DMを発症する相対危険率は、正常血糖の女性よりも7.43倍と高率である。現在推奨されている産後糖代謝評価を分娩後6~12週だけでなく、産後1年を目安とした定期的な受診をすることの重要性を示す。本研究では、GDM既往女性を対象として、栄養、運動、母乳哺育、さらにはヘルスリテラシーの向上へのアプローチを基盤とした産後1年間の包括的プログラムを確立することが目的である。妊娠糖尿病の女性の母乳哺育の2型糖尿病発症予防効果については、文献レビューを行い、妊娠糖尿病既往女性に対して授乳(強度、授乳期間)は2型糖尿病発症予防効果を認める可能性が高いことがわかった。一方、運動療法の目的は、(1)骨格筋を中心とした末梢組織のインスリン感受性の改善、(2)耐糖能の改善、(3)質代謝の改善、(4)高血圧の改善、(5)体脂肪・内臓脂肪の減少、(6)合併症や関連疾患のリスク軽減、(7)体力を向上し日常生活を活性化し、QOLを可能な限り高く維持すること、(8)血糖値低下に伴う糖毒性の軽減によって骨格筋でのインスリン感受性、膵でのインスリン分泌能の回復が期待できることである。現在、GDM既往女性の産後1か月~3か月の体成分・骨格筋パラメータの推移及び正常血糖女性との比較、GDM既往女性に対する産後1か月~3か月の運動介入プログラムの効果の検証に向けて進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症による、緊急事態宣言、まん延防止に関連して、研究協力が可能な施設の確保が難しかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究デザイン、研究方法、研究協力機関は決定しており進めていく。また、新たに妊娠糖尿病の既往のある褥婦の運動療法への意識と行動変容に関して倫理審査申請後に調査を開始していく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により研究遂行が遅延しているため、翌年度分と合わせて、研究調査に関わる資料準備、郵送費、対象者への謝金、研究データ入力人件費、ならびに成果の報告に際して論文校正費用等に使用していく。
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