2021 Fiscal Year Research-status Report
父親と母親の産後のメンタルヘルス向上のための教育プログラムの開発
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19K11024
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
西村 明子 兵庫医療大学, 看護学部, 教授 (20324783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川内 惠美子 兵庫医療大学, 看護学部, 講師 (90804279)
阿川 勇太 兵庫医療大学, 看護学部, 助教 (80846543)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 父親 / 産後うつ病 / 職域 / 自助グループ |
Outline of Annual Research Achievements |
母親の産後うつ病を予防する要因として父親の育児参加や情緒的サポートが報告されており、父親は母親の支援者として期待されているが、父親も子どもの誕生をきっかけにうつ病を発症することが報告されている。この様な状況は国外でも同様であり、カナダやオーストラリア、スエーデンなどには父親の自助グループが存在し、我が国においても父親の自助グループが設立されている。そこで、父親の自助グループの会員である父親が、妻の妊娠が判明してから父親の自助グループに入会するまでのプロセスを調査し、妻の妊娠から出産、育児期を通して、父親にどのようなニーズがあり、どのような経験をしているのかを明らかにすることを目的に研究を行った。2021年7月に自助グループに所属する7名の父親を対象にオンラインによる面接を行なった。現在、データ分析の段階である。 また、職域における父親支援プログラムの効果を明らかにすることを目的に研究を実施した。2021年度に学校法人兵庫医科大学内で実施した職域での父親支援プログラムに参加した父親の内、同意が得られた父親6名に対して、同プログラムに参加して得られたと感じる効果についてインタビューを行った。参加者の属性として、平均年齢は37.7±8.8歳であり、職種は医師、看護師、放射線技師、事務職であった。職域での父親支援プログラムに参加した効果として6つのカテゴリが抽出された。職域における父親支援プログラムにおいて、特に【職域における人間関係の拡大と深化】は、”職場内での育児情報交換の促進”や“職場の方々の理解の促進”などのサブカテゴリが含まれており、職域における父親支援による効果として注目すべき効果であると考えられた。【父親自身のメンタルヘルスの改善】からも父親のピアサポートの場としての可能性も考えられた。 自助グループ、職域での父親支援の効果を検討し今後の父親支援の方向性を検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
職域での父親支援については、結果の分析を終えることができたため順調に研究を進めることができており、2022年9月の学会で発表し、2022年度中に論文投稿の予定である。自助グループの父親へのインタビューについてはデータ分析に至っていないが、次年度開催される国際学会での発表に向けて分析を進め、2022年度中に論文投稿する。
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Strategy for Future Research Activity |
産後の父親を対象に父親と母親双方の産後うつ病を予防するためのプログラムを立案し介入研究を予定している。プログラムは、職域での父親支援のフィールドでもあり、研究代表者が所属する法人の大学病院を予定しており、協力が得られると考えている。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため、インタビューが対面でなくオンラインで実施したため、交通費が不要であったこと、当初介入プログラムを予定していたが、コロナ禍により対面でのプログラムの実施ができず、研究協力者への謝金が不要になったことから予定していた支出がなされなかった。 2022年度は、2021年度の結果を踏まえて介入プログラムを立案して実施するため研究協力者への謝金、プログラムに必要な備品の支出が必要である。また、前年度に実施したインタビューの分析に要する費用と論文投稿の費用が必要である。
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Research Products
(1 results)