2023 Fiscal Year Annual Research Report
産後の女性の姿勢アライメントは下肢荷重機能に影響する‐中高年女性との比較‐
Project/Area Number |
19K11025
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
平元 奈津子 広島国際大学, 総合リハビリテーション学部, 准教授 (50441564)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ウィメンズヘルス / 産後 / 姿勢 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本人女性の姿勢アライメントの特徴を、若年者、産後および中高年の各年代別で比較検討し、姿勢アライメントが立位時および座位時の荷重分布と関係があるかを明らかにすることである。具体的な検討項目は、姿勢アライメント(脊柱アライメント)測定、立位時の下肢荷重分布、座位時の座圧分布である。 COVID-19の第5類移行に伴い、学外での研究が可能となった昨年度末から今年度にかけてデータ測定が実施可能であった。昨年度2月から3月に、学外研究協力施設および学内にて、産後の女性と中高年女性、若年女性の計53名のデータ測定を実施した。得られたデータの分析・産後女性と中高年女性の群間の比較の結果、身体症状は腰痛・尿失禁・肩こりは両群とも30-40%が訴え、膝痛は中高年群の方が多かった。脊柱アライメントにおいて、両群とも胸椎後弯角の増加と腰椎前弯角の減少の傾向がみられたが、中高年女性群と比較して産後女性群の方がどちらの値も、より大きい値を示した。つまり、両群とも胸椎後弯、腰椎前弯の減少を示したが、産後の女性の方が顕著であった。また、下肢荷重分布においては産後女性、中高年女性の多くと約50%の若年女性が、後方に荷重分布が多く、踵に重心が偏っていることが示された。座位分布においては特に特徴はなかった。これらの要因の1つとして、産後の女性は妊娠・出産による体幹(特に腹部)を中心とした身体機能の低下した状態にて、子どもの抱っこや育児動作を繰り返すことで過剰な身体負荷がかかり、適切な姿勢保持が難しいことが考えられた。 以上の結果をまとめ、2023年度、当該分野の関連学会にて発表、シンポジウムにて講演した。同様に、論文にまとめたものを投稿中である。
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