2021 Fiscal Year Annual Research Report
福島県浜通り被災地域での子育て後方支援プログラム構築
Project/Area Number |
19K11043
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Research Institution | Iryo Sosei University |
Principal Investigator |
久米 美代子 医療創生大学, 看護学部, 教授 (70258987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 恭一 医療創生大学, 看護学部, 講師 (40824165)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 福島原子力発電所事故 / 自主避難 / 母親 / 職業 / 家族 / 子育て |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、放射線被害を被った福島県浜通り地域における地域の特性に応じた、地域的オーダーメイド子育て後方支援プログラムを構築し、同プログラムを用いた啓発活動を行うことで、福島県浜通りの放射線汚染地域において具体的かつ特徴ある子育て環境の整備への貢献を目指すことが目的である。 1.インタビュー調査では、東日本大震災から10年間の子育て体験の実態を明らかにし、その支援についての示唆を得ることを目的に実施した。対象者と方法は、原発から約30㎞離れた地域に当時居住していた、職業を持っていた母親10名に研究同意を得て調査協力を得た。東日本大震災から10年を振り返っての子育て体験について半構成的インタビューによる調査を行った。結果、130のコード、15のサブカテゴリーから4つのカテゴリーが生成された。そのカテゴリーは【子どもの健全な成長発達への懸念】【母親役割と仕事の困難】【安心して子育てができる環境の確保困難】【震災体験を語り継ぐ必要性を感じているが困難】である。結論、子どもの健全な成長発達への懸念という不安を持ちながらも、職場で仕事と子育てという葛藤のなかで、母親役割と職業キャリア継続の困難を感じていた。さらに、今後安心して子育てができる環境の確保に小児科医が近所にあることが早急に必要であることが明らかになった。 2.自記式質問調査では、震災時浜通り地域で妊娠、子育てをしていた母親108名を対象とした。結果、避難して感じたことは【日常生活や子どもへの不安】【差別、不信感】【被ばくの後悔】の3要素で構成された。【差別、不信感】【被ばくの後悔】は、現在も感じており、特に、避難回数の多い者ほど感じていることが明らかになった。
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