2019 Fiscal Year Research-status Report
A Study on help-seeking behavior for the social support of the guardian of home-cared children
Project/Area Number |
19K11046
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
齊藤 麻子 順天堂大学, 保健看護学部, 講師 (20326127)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ソーシャルサポート / 援助要請 / 在宅療養 / 医療的ケア児 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、在宅医療を必要とする子どもの保護者のソーシャルサポートに対する「援助要請」の促進・抑制要因を明らかにすることである。援助要請(Help-Seeking)とは、個人が何らかの問題を抱えたときに、他者の力を借りて問題を解決しようとし、その状況に応じて早期に他者(非専門家、専門家)に援助を求めることを指し、保健行動の中の病気対処行動に位置づけられる社会的スキルの一つであるが、個人の援助要請のスタイルはさまざまであり、悩みが少なくても他者に援助要請を多く行う「過剰型」から悩みが多くても他者への援助要請を行わない「回避型」、その中間であり悩みの程度に応じて援助要請を行う「自立型」の3タイプの分類が知られている。しかし、対象とする被支援者の状況によって、どの程度の悩みなら他者に支援を要請するのに妥当な内容なのか、その援助要請は過剰なのか過少なのか適度なのか判断は難しい。専門家である支援者が有用な支援だと考え提供していても、被支援者が感じる利点が享受されにくかったり、制度が利用しにくかったりすることでニーズに合致しないこともある。 今回の研究では、小学校入学前の幼児教育で専門職の介入があると考えられる3~6歳の子どもを養育する保護者の「援助要請」に関する傾向を知り、子どもの健康問題の有無でその傾向にどのような差があるのかを明らかにすることが第1の目的である。そのため、3~6歳児の養育における養育負担感と援助要請の関連を、健康問題がない児の保護者と健康問題のある(医療的ケア)児の保護者に対する質問紙調査を作成し調査を行う予定であったが、調査項目の詳細と調査対象施設の決定が遅延し、研究の進捗が思わしくない。。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2019年度は、保育園・幼稚園に通う健康問題のない3~6歳児を養育する保護者と、障害児発達支援施設に通い医療的ケアを必要とする3~6歳児の保護者に対して、養育負担感と援助要請スタイルに関する質問紙調査を行う予定であったが、調査項目の決定と対象施設の決定が進まず、現段階では質問紙調査に着手できていない状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
2019年度に実施予定であった質問紙調査を完了するために、2020年度は質問紙の調査項目の最終決定を行い、調査対象施設に調査依頼を行う予定である。質問紙調査終了後、早急に結果を集計・分析し、3~6歳児の保護者の援助要請の傾向を明らかにする。その結果をもとに、医療的ケアを必要とし在宅療養を行っている保護者のソーシャルサポートに対する援助要請の促進・抑制要因を探るためのインタビューガイドを作成し、第2段階の調査研究に進める予定である。 現在、新型コロナウィルス感染症の流行により、接触を避けるため対面での面談が困難である可能性が非常に高い。調査の際は直接の対面でなくても研究に必要十分な情報が得られるようにWebなどを活用し調査を行う工夫をし、機密保持についても配慮方法を検討していく予定である。
|
Causes of Carryover |
第1段階の調査実施が進まず、調査用紙の配布・回収、集計等に使用予定であったそれらにかかる経費を使用できなかったため。 2020年度はこの調査を遂行するために必要な消耗品、移動旅費、謝金として活用していく予定である。
|