2019 Fiscal Year Research-status Report
妊娠から産後1年までの排尿機能の変化と尿失禁の発症に関する前向き観察研究
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19K11060
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
佐藤 珠美 佐賀大学, 医学部, 教授 (50274600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 満 佐賀大学, 医学部, 教授 (00325648)
中野 理佳 佐賀大学, 医学部, 准教授 (80588707)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 妊産婦 / 排尿機能 / 尿失禁 / 観察研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的は介入を伴わない前向き観察研究により、①妊娠分娩による排尿機能の変化および尿失禁等の排尿障害の状況(排尿困窮度、尿失禁症状・QOL、産後の残尿)を明らかにすることである。調査は、妊娠15週未満、20週から23週、32週から36週、入院中、産後3か月、6か月、12か月に行う。 2019年9月より三次、二次、一次医療施設の妊娠15週未満の外来妊婦を対象に研究を開始した。2020年4月現在244名が登録した(継続中)。 対象者は初産婦96名(39.3%)、経産婦148名(60.6%)、勤労妊婦は193名(79.0%)で、そのうち軽労働が82名(42.4%)、中労働が102名(52.8%)、重労働が9名(4.6%)、平均登録週数は12.14週(SD1.9)であった。妊娠前の平均BMIは20.6(SD3.5)であった。妊娠初期の平均尿回数は日中が6.9(SD2.6)回であった。夜間排尿がある人は妊娠前の50名(20.4%)から197名(80.7%)に増加し、最大10回排尿する人もあった。尿漏れがある人は75名(30.7%)で、そのうち1週間に2~3回以上ある人が26名(34.6%)を占めていた。尿漏れの量は、中等量が73名(97.3%)であった。尿漏れにより生活の質を損なわれていると回答した人は66名(88%)であった。尿漏れの状況はくしゃみをした時が63名(840%)と最も多かった。次いで体を動かした時(20.0%)、トイレにたどりつく前(17.3%)、排尿後(6.6%)、眠っている時(4.0%)と続いた。排尿症状の困窮度では、尿意切迫感や少量の尿漏れ、下腹部や外陰部の不快感が強くなっていた。尿漏れは予防や治療ができると思う人は50%程度ある一方で、受診をためらう人が57%、人に話すのを恥ずかしいと思う人が52%あった。妊娠初期からの排尿ケアが必要とされていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
二次、三次医療施設では、一次医療施設からの紹介が多く、初期の妊婦が少ないため研究対象者の登録が遅れている。妊娠中期の段階で、流産、胎内死亡、転院による中止が3名、転居先不明による脱落が5名あった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在妊娠中期が215名回答、妊娠後期が55名回答している。これより、産科入院中、産後3か月、6か月、12か月と調査を進めていく。
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Causes of Carryover |
産後入院中の残尿量の観察を2施設で行う予定であったが、分娩数の減少により対象者の確保が難しいことが判明し、3施設に追加した。そのため携帯型超音波装置CUBE SCANの購入は1台とし、2台をレンタルすることになった。旅費は学会参加を予定していたが、風水害や新型コロナの感染拡大で中止となった。 ホームページを作成し、研究成果の速報を発信するための環境を整える。
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