2019 Fiscal Year Research-status Report
助産学生が「不妊女性への支援」の実践能力を獲得するためのeラーニング教材の開発
Project/Area Number |
19K11062
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
長岡 由紀子 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 准教授 (80315762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西出 弘美 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (30615472)
島田 智織 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (90347245)
清水 清美 城西国際大学, 看護学部, 教授 (70323673)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | eラーニング / 不妊看護 / 助産学教育 / シラバス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、助産学生が卒業時に獲得すべき能力のうち「不妊の悩みを持つ女性と家族に対する支援」に関する助産学生向けのeラーニング教材を開発することである。 初年度は、助産学基礎教育養成機関における「不妊女性と家族への支援」に関する教育方法や教育内容を明らかにする目的で、質問紙による実態調査を計画に挙げていた(研究1)。しかし2022年度に保健師助産師看護師養成所指定規則が改正されるのに伴い、各校で新カリキュラムの検討が開始されたため、現行の教育実態は各校のシラバス閲覧による調査とし、養成機関の担当者が新カリで必要と考える教育はどのようなものかを調査する方向に研究計画を変更した。そのため19年度は文部科学省HP掲載の全国161の助産師養成校リスト(大学院、大学専攻科、大学助産課程、別科等)を参考に、各校の電子シラバスを閲覧し、本研究テーマに関連する内容が含まれる「授業科目名」「学習の到達目標」「授業内容」等の抽出を行い、教育内容の実態を分析している途中である。全体的な傾向として、大学院、専攻科は不妊関連科目が比較的明確であるが、大学助産課程に至っては看護教育との統合カリキュラムであるためか、不妊関連の学習内容が複数の学年・科目に渡っており、教育内容の実態を把握しにくい傾向にあった。 助産学教育の動向は、看護教育に関連する文科省、厚労省の検討会の内容を注視するとともに、助産師国家試験の出題傾向を過去10年分調査した。不妊に関連する出題は増加傾向にあり、過去5年間においては約4.5%の出題率であった。出題内容は、不妊症や検査に関する医学的知識を問うものが多い傾向にあった。 当初3年目に予定していた既存のeラーニングシステムの比較検討に関しては、計3社のシステム(構造、システム、経費等)の担当者や利用者からのヒアリングを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた不妊に関する教育の実態調査については、2022年度の保健師助産師看護師養成所指定規則改正に伴うカリキュラムの変更が予測されるため、シラバス閲覧による調査に方法を変更した。年度末現在、分析途中ではあるが、概ね順調に進展している。 また3年目に予定していたeラーニングシステムの検討についても初年度に計3社のシステム(構造、システム、経費等)の比較検討ができ、本研究は概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目以降の計画は次の通りである。 ①初年度に収集したシラバスを基に情報を集約し、関連学会で報告する。②前述①の結果をもとに「不妊女性と家族への支援」に関して特色ある教育展開を行っている教育機関を抽出し、授業の視察や担当者へのヒアリング等を実施する(研究2)。しかし2020年度は全国の教育機関で新型コロナウイルス感染拡大の影響による科目の開講時期、教育方法や内容の変更が余儀なくされているため、視察やヒアリングの時期や方法は新型コロナの収束状況を見て検討する。③当初の計画で、(研究1)として実施予定であった実態調査に関しては「新カリで必要と思われる不妊に関する教育内容」にテーマを変更して実施する。実施時期は、各養成機関の新カリキュラムの内容が決定する時期(2020年度末以降)とする予定である。④eラーニングシステムシステムの利用については、当初の計画よりも早く開始できる見込みであるため、現行のカリキュラム内容を中心にコンテンツ案を作成し、2年目中にプレテストを行い課題等を検討する。 3年目以降は、それまでの結果を基に教育プログラム案を作成し、臨床の専門家(医師、助産師、認定看護師等)、教育機関および対象者(不妊患者、治療経験者等)から知識提供を得て信頼性・妥当性を検討する。
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Causes of Carryover |
今年度は、物品費、謝金、その他の使用については当初の計画通りに執行できた。 次年度使用額が生じたのは主に旅費である。これは2019年10月に参加を予定していた関連学会が台風19号の影響により開催中止となり、旅費が不要となったためである。さらにCOVID19の影響を鑑み、2020年2月~3月にかけて参加を予定していた地方学会(鹿児島、新潟)や情報収集を目的とした東京圏への出張を中止したことで旅費に未使用額が生じた。2020年度上半期の出張等はCOVID19の収束状況を鑑みて、引き続き見合わせ、旅費は下半期以降に開催される学会発表を目的とした出張に充てる予定である。また、前倒しで実施するeラーニングのプレテストについては、その他の経費から捻出する。
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