2022 Fiscal Year Annual Research Report
授乳姿勢の違いが母親の上肢体幹筋活動と乳児の哺乳に与える影響
Project/Area Number |
19K11079
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Research Institution | Tokyo International University |
Principal Investigator |
武田 要 東京国際大学, 医療健康学部, 教授 (20458409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井村 真澄 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (30407621)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 母乳育児 / 筋電図 / 授乳姿勢 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は授乳時の母親、乳児の筋活動、自覚強度の分析により、より効果的で身体的負担が軽減される授乳姿勢と乳児の哺乳状況を明らかにすることである。対象は安定的に授乳が行えている生後1~5か月の乳児を持つ20~40代の研究の同意を得られた母子40組を予定した。計測課題は各体幹角度3条件(座位前屈位、座位垂直位、リクライニング位)における横抱き授乳動作とした。計測項目は授乳時での1.母親の上肢筋群筋電計測(両側僧帽筋、両上腕二頭筋、授乳側尺側手根屈筋)、2.乳児の舌骨上筋群筋電計測、3.修正Borg scaleによる身体負担の自覚強度とした。 本研究は昨年度からの継続により今年度では25組計測実施した。昨年度からのデータと今年度得られた欠損していない有効な32組のデータから分析を行った結果、リクライニング位授乳姿勢では他の授乳肢位と比較して両僧帽筋、授乳側の上腕二頭筋、尺側手根屈筋筋活動が有意に低下していたことが明らかとなった。また尺側手根屈筋筋活動を見ると前屈位で最も活動していた。一方、乳児の舌骨上筋群筋活動は姿勢による違いはなかった。母親の身体負担の自覚強度では、前屈位、垂直位、リクライニング位の順で大きくなっていた。このことは母親の上肢筋群の筋電計測の結果と同様であった。 これらのことから前屈位では手関節屈筋群の活動を多く要し、リクライニング位では僧帽筋を含めた上肢の筋活動を低下させる姿勢であることが示唆され、肩こりや手首の痛みを有する際の授乳指導の選択肢になることが示唆された。
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Research Products
(1 results)