2021 Fiscal Year Research-status Report
成人期に移行する先天性心疾患と共に生きる子どもと親の軌跡を説明できるモデルの構築
Project/Area Number |
19K11091
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
高谷 恭子 高知県立大学, 看護学部, 准教授 (40508587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畦地 博子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (80264985)
中野 綾美 高知県立大学, 看護学部, 教授 (90172361)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 先天性心疾患 / 移行期 / 親子 / 軌跡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、成人期に移行する先天性心疾患と共に生きる子どもと親の軌跡を説明できるモデルを構築することである。年齢、治療継続が必要な先天性心疾患の診断名の違い、重複する健康障害の有無など理論的サンプリングを行い、彼らの現実生活をよりリアルに描き出すモデルの構築を目指し、新たな移行期支援プログラムへの貢献、成人期へ移行する子どもと家族を支援する看護教育への示唆を得ることである。 新型コロナ感染症拡大の影響を受け、本年度も昨年度に引き続き【目標1】成人先天性心疾患である青年と親が辿る軌跡を明らかにしながら、【目標2】成人期に移行する先天性心疾患と共に生きる子どもと親の軌跡を説明できるモデル案の作成を掲げた。しかし、コロナ禍の影響が収まらず、病院施設や患者・家族会に研究の依頼を行うことが非常に難しい現状であった。webシステムを用いた研究依頼や面接調査方法を取り入れる計画に変更し、現状に即した研究計画書の洗練化に努めたが厳しい状況には変わらなかった。そのため、オンラインで開催される専門学会のセミナーや学術集会に参加し、先天性心疾患、並びに成人先天性心疾患を取り巻く医療や制度のみならず、健康障がいを抱える親子に関連する学会への参加、新型コロナウイルスが流行することに伴う新たな子どもと家族の課題を収集し、本研究の遂行に役立つ知見を得た。 本年度も成人期へ移行する先天性心疾患とともに生きる子どもと親を対象としたインタビューの実施は叶わなかったが、彼らのケアにかかわった経験のある看護職者に、彼らの軌跡に対する捉えやケアの現状と課題を明らかにするためのヒアリングを行うなど、研究計画の追加を検討した。その内容を踏まえ、【目標4】フォーカスグループインタビューを本研究の遂行の1つに位置づけ、子どもと親の軌跡のモデル案と並行して看護者から捉えた軌跡のあり様からも研究遂行を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の収束のめどが立たず、インタビュー調査に向けた研究依頼や実施は極めて難しい状況である。また、Web会議システムを用いた研究計画に変更しているが、研究遂行に時間を要することとなった。しかし、本研究は成人期に移行する先天性心疾患と共に生きる子どもと親の軌跡を説明できるモデルを構築することが目的であり、インタビュー調査は不可欠である。そのため、コロナ禍の状況を鑑みながら、研究協力施設や患者・家族会が安心して研究協力ができること、ならびに、研究協力者となってくださる子どもと親が落ち着いて研究協力ができることを第1に考えて推進していくことが重要である。そのため、研究依頼においても一旦中止や延期を重ねている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の収束は難しいことを念頭に置き、社会生活を営んでいる先天性心疾患のある成人期の研究協力者を中心として、Web会議システムを用いた子どもと親のインタビュー調査の依頼・実施に向けて、その都度研究計画の修正・工夫を施しながら実施していく。また、個人ネットワークを活用した成人期に移行する先天性心疾患の子どもと親に関わっている、あるいは、関わった経験のある看護職者に対象範囲を拡大し、モデル案作成のさらなる担保となるインタビュー調査(フォーカスグループインタビューも含める)を実施していき、研究目標の達成に向けて推進していく。
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Causes of Carryover |
一昨年、そして前年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、研究協力として候補に挙げていた病院施設や患者・家族会への依頼の一時中断や延期が必要となったため、次年度への使用額が発生した。しかし、本年度は個人ネットワークも活用しながら、研究遂行に向けたオンラインシステムを用いた子どもと親を対象としたインタビュー調査、ならびに、看護職者を対象としたインタビュー調査(フォーカスグループインタビューも含める)を並行して実施するため計上していく。
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