2020 Fiscal Year Research-status Report
教育と臨床の協働による帝王切開で出産する女性のための出産準備教育プログラム開発
Project/Area Number |
19K11092
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
鳥越 郁代 福岡県立大学, 看護学部, 教授 (30217591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安河内 静子 福岡県立大学, 看護学部, 講師 (20382434)
吉田 静 福岡県立大学, 看護学部, 講師 (30453236)
佐藤 繭子 福岡県立大学, 看護学部, 助教 (50553418)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 帝王切開 / 出産準備教育 / ピアサポート |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、予定帝王切開(以下帝切)で出産した女性が受けた出産準備教育の実態と出産準備教育に対するニーズを明らかにするために、オンラインでのインタビュー調査を行った。5名の研究協力者のインタビューを分析し、以下の点が明らかとなった。 1. 病院内では帝切で出産する女性のためのクラスは開催されておらず、インターネットや病院から提供された資料を通して情報を得ていた。特に、個人の体験を漫画とともに掲載していたブログは、手術の流れも想像しやすく、安心感につながっていた。またその他、帝切の適応(理由)、経腟分娩と帝切分娩との違い、予定帝切と緊急帝切の違い、帝切の切開部位、2回目の帝切出産に伴うリスクなどの情報もインターネットから得ていた。5名中3名は、術後の創部の痛みは想像以上で、術後翌日からは、後陣痛も加わり、睡眠もとれていない状況であった。その中で創部をかばいながらのベッド上の起床、初回歩行、授乳は、身体的に苦痛を伴う体験となっていた。 2. 帝切出産を経験して、事前に知っておきたかった情報としては、「産後の身体の回復状況に伴った段階的な離床の進め方」、「帝切出産の切開部位」、「帝切出産後の次子の出産(間隔・出産方法)」、「創部のケア」、「術後の授乳姿勢の取り方」、「産後ケアの利用」などが挙げられた。また帝切出産準備教育の要望としては、「腹圧のかからない身体の起こし方」、「安静時の下肢の運動」、「創部のケア」、「術後の授乳の進め方」、「沐浴時の体勢」、「帝切後の次子の出産」などの情報提供があがった。またその他、要望として「帝切出産や出産後の回復状況が想像できるような教材(絵・動画など)を用いた情報提供」、「帝切で出産した女性の話を聞く場」が挙げられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度の研究計画として、予定帝王切開経験者を対象として、出産準備教育に対する現状とニーズを把握するためにフォーカスグループインタビューを実施する予定であった。しかし、新型コロナウイルスの感染状況がさらに深刻化する中で、研究対象者に集まっていただき、フォーカスグループインタビューを遂行することが困難であった。そのため、急遽オンラインでの個別インタビューに変更することを決定し、それに伴う調整が生じたため、インタビューの実施が大幅に遅れる結果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、予定帝切の出産準備教育に対するニーズ調査の結果を踏まえ、教育媒体を含めた出産準備教育プログラムを検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2020年度中に予定していた帝王切開で出産する女性のためのピアサポートの実際を学ぶ研修会の開催が遂行できず、それに伴う講師謝金の支出がなかった。2021年度は、新型コロナウイルス感染の拡大に伴う自粛情勢を見極めながら、研修会開催について再検討(時期・方法)を行うとともに、今年度実施したインタビュー結果を踏まえ、帝王切開で出産する女性のための出産準備教育のプログラム開発に着手する予定である。
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Research Products
(1 results)