子ども支援のための関係職種との協働をコーディネートする養護教諭の実践モデルの策定

2021 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 19K11097
• Research Institution: Kyorin University
• Principal Investigator: 亀崎 路子 杏林大学, 保健学部, 教授 (50413026)
• Project Period (FY): 2019-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: 子どもの健康課題 / 養護教諭 / 困難感 / 関係職種 / 協働 / コーディネート / 実践モデル

Outline of Annual Research Achievements

本研究の最終目標は、多様な関係職種との協働が必要な子どもの健康課題に気づき、現場の状況や困難感を踏まえつつ、子ども支援のための学校内外の関係職種との協働を効果的にコーディネートする養護教諭の実践モデルを策定することである。また、研究を遂行する上で、新型コロナウイルス感染症の蔓延等緊急事態が続く状況等を踏まえ、学校現場の協力を得てアクションリサーチを行うことは困難であることが予想されたため、研究方法の変更を行った。研究１として、複雑な子どもの健康課題に対して、多様な関係職種との協働での支援を展開し、効果をあげている養護教諭の実践事例を、熟練者の基準に当てはまる調査協力者（国内の公立小学校3名、中学校2名、高等学校１名の養護教諭）を対象に、具体的に聞き取るインタビュー調査を終了し、逐語録からデータ分析の続きを行った。同時に、国内の教育、医療、保健、福祉を含み、それ以外の多領域における文献を幅広く収集し、効果的なコーディネートに関する示唆を得ることが可能なScoping reviewを継続した．これにより「関係職種との協働の効果的なコーディネート」に関する実践方法の知見をまとめて論文を作成し、養護教諭関連学会に論文投稿をした。今後は、先の実践事例調査の分析と照合し、筆者が先に報告した実践方法やアクションリサーチにおける支援指針を踏まえつつ、養護教諭の実践モデルの仮設を研究協力者とともに検討する予定である。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

2020年度1月より発生した新型コロナウイルス感染症の蔓延が続き、国全体が緊急事態の状況となり、国の方針として外出や移動の自粛、三密を避ける新しい生活様式が求められたことなど、緊急事態の状況の中で、研究の遂行よりも、安全面を優先することが必要である状況が続いた。また、研究者自身が、予期せぬ病気療養および通院をする必要が生じたことから、予定していた分析および文献レビューに時間を要した。
また、現場に入って対話を積み重ねる方法をとるアクションリサーチの手法は、学校現場の受け入れが困難と予想されることから、今後も方法の修正を継続する必要があることが主な理由である。

Strategy for Future Research Activity

新型コロナウイルス感染症の蔓延が続き、感染防止対策を徹底する必要のある学校の現状を踏まえて、現場に介入するアクションリサーチの方法から、他の方法への変更を継続する。これまで収集した実践事例調査の結果と、多領域における関係職種との協働の効果的なコーディネートの実践に関する文献レビューの知見を照合し、筆者の先行研究を踏まえて、養護教諭の効果的なコーディネートに関する実践モデルの仮説の作成を継続する。さらに、先の調査において事例提供をした研究協力者と、それ以外の他地域の養護教諭数名に、実践モデルの仮設を提示して、実践を支える指針となるかどうか、検討を加え、実践モデルの仮設を洗練する。

Causes of Carryover

新型コロナウイルス感染症の蔓延が長期化していること、研究者自身の予期せぬ病気療養が生じたため、研究期間を延長したことによる。今年度は、研究を総括することから、研究協力者および他地域の養護教諭の協力を得て、実践モデルの仮設を作成し、洗練するための経費と、報告書の作成を計画する。