2020 Fiscal Year Research-status Report
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19K11109
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Research Institution | Kawasaki City College of Nursing. |
Principal Investigator |
木全 真理 川崎市立看護短期大学, その他部局等, 准教授 (00553570)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 訪問看護 / 保険制度 / 社会参加 / 外出支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国の訪問看護は、介護保険法あるいは健康保険法による、公的な保険制度に基づいて、訪問看護事業所から看護師が利用者宅で看護サービスを提供する。利用者宅外の場所では、神経難病や末期がんなどの疾病のために医療処置が必要、あるいは病状の不安定な利用者に対して、病院と自宅の間の移動や受診に、また結婚式などの冠婚葬祭や旅行・買い物などに同行して外出を支援する、保険制度の枠を超えた訪問看護の実践をしている。これらの実践は、入退院や受診、余暇活動となり、在宅療養者の社会参加につながる。これから変容していく日本社会の課題として取り挙げられている、看取りや認知症などへの対応とも重なる。しかし、これまで一部の訪問看護事業所でしか実践されておらず、また実践するためのモデルがない。そこで、本研究では、社会参加としての外出を支援するための訪問看護の実践モデルを開発し、社会に求められている訪問看護事業を網羅的に整理することを目指す。 平成31年度(1年目)は、外出支援のための訪問看護実践のプロセスの可視化のため、利用者の状態、家族構成、地域特性などの比較軸を用いて、国内外の先行研究や事例の収集と類型化を行った。次に、計画している調査の対象者・地点を選定し、質問項目を確定するために、これまでの調査協力者をはじめとする本機構の研究フィールドや、協力関係にある研究者・実務家に意見を聴取した。これらの資料をもとに、在宅ケアの質や多職種連携の評価等も踏まえ、次年度に計画をしている調査の設計を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和2年度(2年目)は、外出支援のための訪問看護実践のモデルの作成を目指した。まず、先行研究や事例に不足していた要素を抽出するために、訪問看護師や介護支援専門員などの関係者職種を対象にして、インタビュー調査を実施した。調査の対象者は、在宅療養者に医療や介護サービスを提供し、マネジメントする立場にある。長期にわたって在宅療養者に対する新型コロナウイルス感染症の感染の予防や対応に奔走し続けており、調査協力を得ることは困難な時期や状況も多く、対象者数は計画より下回った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、新型コロナウイルス感染症の感染状況と感染対策を見極めながら、訪問看護サービスの利用者やその家族、訪問看護師、多職種等の専門職へのインタビュー調査や本研究の計画の修正を継続する。 本研究の遂行にあたっては、これまでの申請者の研究活動の実績より、訪問看護やその周辺領域の専門の研究者からの助言や指導を受けることができる体制が整っている。また、訪問看護の分野において卓越した看護実践能力を有する専門看護師等の実践家からも助言や協力を得ることができる。さらに、関連領域の研究実績のある研究者とは、日頃の研究や教育の活動における連携があるため、引き続き、本研究の目的達成するためにの研究方法等について指導や助言を求めていく。
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Causes of Carryover |
当該年度、主に計画していた調査対象が、在宅療養者に医療や介護サービスを提供し、マネジメントする立場にある訪問看護師や介護支援専門員などであった。これらの調査対象者は、長期にわたって在宅療養者に対する新型コロナウイルス感染症の予防や対応に奔走し続けている。そのため、調査協力を得ることに困難な時期や状況が頻発し、本研究の遂行が難航した。
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