2019 Fiscal Year Research-status Report
公衆衛生看護におけるアドボカシーおよび関連要因の明確化に関する研究
Project/Area Number |
19K11115
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鳩野 洋子 九州大学, 医学研究院, 教授 (20260268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 浩子 昭和大学, 保健医療学部, 教授 (40468822)
嶋津 多恵子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 国立看護大学校 教授 (80184521)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 保健師 / アドボカシー / 指標開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、行政保健師の活動においてのアドボカシー指標を開発するともに、開発した指標に基づきその活動実態と活動への影響要因を明らかにすることである。 本年度は文献検討により、保健師アドボカシーを定義するとともに、構成概念を検討し、具体的な行動レベルの項目について、行政保健師の実態に照らして検討を行った。文献の収集には、医学中央雑誌、CiNii、Pub Medのほか、既存の検索ツール、日本および米国で使用されている保健師の教科書を用いた。また、検索の際には保健師に限定せず、公衆衛生、福祉領域のものも含めた。 明確に保健師のアドボカシーの定義を行っているものは、国外の文献にはなく、国内の1文献のみであった。また、用語の活用状況において、個人・家族のみに焦点化した記載がされている場合と、集団のみに焦点化されている場合が見られた。しかし、対象が個人・家族/集団双方を対象とすることが保健師の活動の特徴であり、実際、海外(米、英、加)の保健師のコンピテンシーを示したものの中においても、アドボカシーは、双方へのアプローチの文脈て用いられているのを踏まえ、仮の定義としては「個人や集団の健康上に不利益を招く事態を特定し、問題の深刻化防止や解決に向けて戦略を立て自ら実行すること」とした。ただし本定義であると、保健師の従来の活動との差異が明瞭ではないため、継続的な検討を行ってゆく予定である。 活動(介入)の構成概念として活用可能であると考えられたものは複数見られたが、現行においてはSHILTON(2016)の示したもの(政治的アドボカシー/メディアアドボカシー/専門家の動員/コミュニティの動員/組織内部からのアドボカシー)が適応可能と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス拡大により、2月・3月に予定していた研究班会議、保健師への意見のプレ徴取の予定がと取りやめとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
班会議においては、遠隔会議システムの準備は整ったため、遠隔会議システムを活用して実施する。また、実践者に対する意見聴取は本来であれば対面が望ましいものの、現行の状況においては困難であり、また開始時期の予見も難しいため、規模は縮小し、メールでの意見聴取にきりかえて実施を行う予定である。
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Causes of Carryover |
旅費に関して、学会のための旅費は、他の研究費で対応可能であったこと、2月、3月に会議・インタビューで使用予定であったものが、コロナウィルス感染拡大状況により取り消しをしたことにより差額が生じた。また、それによりインタビュー対象者への謝金が発生しなかった。インタビューは、対面ではない方法に変更はするが、謝金は要するため、その方法に変更を行う。
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